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散らかす
「散らかす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
散らかすの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
かった。純次は食卓から胸にかけて麦《むぎ》たくさんなためにぽろぽろする飯をこぼし
散らかすと、母は丹念にそれを拾って自分の口に入れた。母はいい母だがまったく教育が....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
。人の尻《しり》を自分で背負《しょ》い込《こ》んで、おれの尻だ、おれの尻だと吹き
散らかす奴が、どこの国にあるもんか、狸でなくっちゃ出来る芸当じゃない。彼《かれ》....
「私の個人主義」より 著者:夏目漱石
まるで考えずに、自分の腑《ふ》に落ちようが落ちまいが、むやみにその評を触《ふ》れ
散らかすのです。つまり鵜呑《うのみ》と云ってもよし、また機械的の知識と云ってもよ....
「明暗」より 著者:夏目漱石
好い気になって、勝ったつもりか何かで、自分の都合の好い事ばかりを方々へ行って触れ
散らかすのです」
夫人は微笑した。津田はそれを確かに自分の方に同情をもった微笑....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
立木をも、砂土をも、家屋をも、その渦のような速力の中に捲きこんで、捲き上げ、捲き
散らかす如く感じられた。太陽は、青白くなった。人間は、地上から、天までの土煙の中....
「家」より 著者:島崎藤村
過ぎる」 「何ですか心配なような手紙でしたから、大御新造には内証で」 「そう突き
散らかすと、反っていけませんよ」 その晩、幸作は若旦那の家の方へ寝に行った。 ....
「紫大納言」より 著者:坂口安吾
ばった。即ち今に悪名高い袴垂れの保輔であった。 袴垂れの徒党は、討伐の軍勢を蹴
散らかすほど強力であったばかりでなく、狼藉の手口は残忍を極め、微塵も雅風なく、ま....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
く片づけろよ。芸術家の尊厳を失うほどきちんと片づけちゃだめだよ。美的にそこいらを
散らかすのを忘れちゃいかんぜ。そこで俺はと……俺はドモ又をドモ又の弟に仕立て上げ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
て框から膝行込むのがある、他所の嬰児だの、貰われた先方のきょうだい小児が尿を垂れ
散らかすのに、……負うと抱くのが面倒だから、久を連れて来ない事があります。養父の....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
間割れをいいあっているひまはない。 無言で、広い境内の物かげへ、思い思いに姿を
散らかす……。 腕でこい! と眼八は、ふたたび前の木蔭へ返って、伽藍の正面につ....