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「散策〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

散策の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
もかすかに見やられるようだ。柿江にはその景色は親しましいものだった。彼がひとりで散策をする時、それはどこにでもいて彼を待ち設けている山だった。習慣として彼は家に....
外科室」より 著者:泉鏡花
学生なりしみぎりなりき。一日《あるひ》予は渠《かれ》とともに、小石川なる植物園に散策しつ。五月五日|躑躅《つつじ》の花盛んなりし。渠とともに手を携え、芳草の間を....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
見したと見えて、開いた個所を法水に向け、その上辺に指頭を落した。実に、法水の狂的散策を諷刺した、検事の痛烈な皮肉だったのである。 (ワイマール侯ウイルヘルムの劣....
春昼」より 著者:泉鏡花
ぬ。 何為なら、さて更めて言うことが些と取り留めのない次第なので。本来ならこの散策子が、そのぶらぶら歩行の手すさびに、近頃|買求めた安直な杖を、真直に路に立て....
海の使者」より 著者:泉鏡花
たら、名器の琴になろうもしれぬ」 そこで、欄干を掻い擦った、この楽器に別れて、散策の畦を行く。 と蘆の中に池……というが、やがて十坪ばかりの窪地がある。汐が....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
く、死すにもあらで、やや二ヶ月を過ぎつる後、一日重隆のお通を強いて、ともに近郊に散策しつ。 小高き丘に上りしほどに、ふと足下に平地ありて広袤一円十町余、その一....
巴里の秋」より 著者:岡本かの子
ンドウを見る。枯れてまでどこ迄もデリカを失わない木の葉のなかへ、スマートな男女|散策の人形を置いたりしている。オペラ通りなどで、そんなデリカなショーウインドウと....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
快、そこで届を出してやがて出勤をしようという。 ちょうど日曜で、久しぶりの郊外散策、足固めかたがた新宿から歩行いて、十二社あたりまで行こうという途中、この新開....
落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
についての思い出をたぐりはじめました。父と私は、新緑の奈良や、紅葉の嵯峨野をよく散策しました。古寺を尋ね、その静かなふんいきの中で色をたのしんだり、形をながめた....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
も、この際、観音の御堂の背後へ通り越す心持はしなかったので、挨拶も後日を期して、散策子は、やがて庵を辞した。 差当り、出家の物語について、何んの思慮もなく、批....
夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
情熱家であった。かつて久作さんや次兵衛達によって短歌会が持たれていた頃、たまたま散策には少し寒いが晩秋の月のいい日に香椎の山で会が持たれて、一同は久作さんの山家....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
あった乎、二葉亭は食通ではなかったが食物の穿議がかなり厳ましかった。或る時一緒に散策して某々知人を番町に尋ねた帰るさに靖国神社近くで夕景となったから、何処かで夕....
西航日録」より 著者:井上円了
だん寒く、雪や霜もときどき見ることあれども、山水の風景に富み、晴天の日には村外の散策最も爽快を覚ゆ。かつその地都会と異なり、人情敦朴にして、諸事に深切なり。こと....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
。午前、公園に遊び、帰路わが大使館をたずね、栗野大使に面会す。午後、セーヌ河南に散策し、夜また市街を緩歩して帰る。 巴黎城外歩。 (巴黎郊外の林や丘を遊歩するに....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
楽みであった。何故かといえば、その度ごとに、私たちは十分の暇を得た。眺望し観察し散策し撮影もしたのであった。だが、もうこれきりであろう。 自動車は駛り出したが....