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「散開〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

散開の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
ノウィッチは、今こそ、死ぬべき時だと思った。味方は、ライ麦の畑を踏み荒しながら、散開した。がそれと同時に唸りながら飛んできた榴弾が、彼らの頭上に続けざま十二、三....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
装であると認める。十分に撃ちまくれ、判ったな。――左翼、中央の両隊の目標は、敵の散開線、右翼は横を見て前進、放送局の守備隊と連絡をとれイ。撃ち方、始めッ」 猛....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
としたものを想像していた。ところが、先刻はあんな澄んだ音が聞えたのだ。外気の中へ散開すれば、当然残響が稀薄になるのだから、その音は明らかに、テラスと続いている仏....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ら/\と湧き起った。何の艶もない濁った煙色に化り、見る/\天穹を這い上り、大軍の散開する様に、東に、西に、天心に、ず、ずうと広がって来た。 三人は芝生に立って....
石狩川」より 著者:本庄陸男
なわになっていた。威勢よく投げられた餅が、集まった人々の頭の上でぱっと花のように散開する。文字通りこれは撒かれているのであった。餅もまた花びらのようであった。ま....
死後の恋」より 著者:夢野久作
いた銃を肩に担ぎました。そうして大きな雑草の株を飛び渡り飛び渡りしつつ、不規則な散開隊形を執って森の方へ行くのでしたが、間もなく私たちのうしろの方から、涼しい風....
木の芽だち」より 著者:宮本百合子
になって来たというのが、一応の事情である。 けれども、この文化の中心の全国的な散開という新しい事実には、それだけの現象にとどまらず、明日の日本にとって、私たち....
三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
の対岸の山かげあたりにいる。戦闘が近づくと当方隊の一部は馬から下りて広瀬川の岸に散開して鉄砲を打ちかけた。そうすると向うからも鉄砲の音が聞こえてくる。その音は私....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
斯んなに酷いのは、恐らく異例に属する事だぜ。それに、眼球の上に落ちた血滴が少しも散開していない。そうすると、涙腺が極度に収縮しているのが判るだろう。つまりその凡....
魔都」より 著者:久生十蘭
人数にしたら六七人もあろうか。然し、それだけではない。その一団が建物の裾で横隊に散開すると、またすぐ別の一団がヒタヒタと草を踏んで、第二陣に行く。続いて第三陣、....
「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」より 著者:癋見鈍太郎
魄」をもって充たされていると言っていいであろう。その砲煙弾雨の中を一意敵に向って散開し、躍進する千変万化の姿は、男性の姿態美の中でも、最高潮した「気をつけ」の緊....
三国志」より 著者:吉川英治
逃げるが如く、南の阜へ馳けのぼれ」と、下知した。 戦わぬうちから、すでに曹軍は散開を呈して、兵の凝集力を欠き、士気もあがらない様子を見たので、文醜は、 「見ろ....
三国志」より 著者:吉川英治
こうして、すでに長蛇を逸し去った曹操は、ぜひなく途中に軍の行動を停止して、各地に散開した追撃軍を漢水の畔に糾合したが、 「他日、玄徳が江陵に入っては一大事である....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
識の間にここに至らしめたのである。「散兵は単なる応急策に過ぎなかった。余りに広く散開しかつ衝突を行なう際に指揮官の手許に充分の兵力が無くなる危険があったから、秩....