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敬い
「敬い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
敬いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
るのです。この道のほかには人の子の生活を天国に結び付ける道は考えられません。神を
敬い人を愛する心の萎《な》えてしまわないうちにお互いに光を仰ごうではありませんか....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
気なのが渡りものと侮って冷かしに行って舌を巻いたことさえあるから、教子も多く、皆
敬い、懐いていたが、日も経たず目を煩って久しく癒えないので、英書を閲し、数字を書....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
いうわけで、ボーイも番頭も見ず知らずのそこらの人も、一種の疑いを持ちながら自然と
敬いの態度を現わした。 番頭はまず合点して話しかけた。 「ほう阿Q、お前さん、....
「故郷」より 著者:井上紅梅
た。顔の上には喜びと淋しさを現わし、唇は動かしているが声が出ない。彼の態度は結局
敬い奉るのであった。 「旦那様」 と一つハッキリ言った。わたしはぞっとして身顫....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
は結構だ」 「火の玉」少尉は、そこで急に気がついて田毎大尉に敬礼をし、 「いや失
敬いたしました。旧友に会ったものでありますからして、思わず大尉どのへの報告のほう....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
国民の前でたった一言唇を開けば、国民はわたしの言うとおりになります。わたしの真の
敬い、そして愛するのは博士コハクである、皆さんは博士に忠誠を誓いなさいといえば、....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
をひく者もあったが、利口なお冬は振向きもしなかった。かれは与市の母や兄を主人とも
敬い、親兄弟とも慕って、おとなしくつつましやかに暮らしていた。 慶長十九年、お....
「起ち上る大阪」より 著者:織田作之助
るだろうが、とにかく一町内、一路地、一長屋毎に一つの地蔵さんを持っていて、それを
敬い、それを愛し、ささやかな信仰の対象物として大切に守りつづけ、そして一年一回、....
「書記官」より 著者:川上眉山
失いたる亭主は、急ぎ衣裳を改めて御挨拶に罷り出でしが、書記官様と聞くよりなお一層
敬い奉りぬ。 琴はやがて曲を終りて、静かに打ち語らう声のたしかならず聞ゆ。辰弥....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
です。しかし釈迦牟尼如来の教えとは全く違って居るのですから私はそこに行った時分に
敬いはしましたけれど三礼はしなかった。なぜかというに俗人に対して僧侶が三礼すると....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ければならぬ仏でなければならぬというような偏狭でなしに、それに皇室と、つまり神を
敬い仏を信じ皇室を尊むという、この主義信念を持って毎日礼拝している。家人にも礼拝....
「鎮西八郎」より 著者:楠山正雄
が、射落とされたのを見て、舌をまいておじおそれました。そして為朝を神さまのように
敬いました。 為朝は鬼ガ島を平らげたついでに、ずんずん船をこぎすすめて、やがて....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
のように申して、恐ろしい、神のような、救世主のような、そういう人物に空想し、尊び
敬い懐しんでおります。……がしかし殿にはどう遊ばしましますので? これからどこへ....
「正雪の遺書」より 著者:国枝史郎
を貴郎に内通した上で、私だけ党中から遁れようか? それにしては彼等が私を信じ私を
敬い私を慕うこの感情をどうしよう? 彼も棄てられず是も背かれぬ。ここまで考えて来....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
、すなわち朱子の学である。……朱子の学説を要約すれば、洒掃応待の礼よりはじめ、恭
敬いやしくも事をなさず、かつ心を静止して、読書して事物を究め、聖賢の域に入れよと....