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敬する
「敬する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
敬するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
の上に、何よりも堪えがたい、落莫《らくばく》たる孤独の情をもたらした。彼は彼の尊
敬する和漢の天才の前には、常に謙遜《けんそん》であることを忘れるものではない。が....
「彼」より 著者:芥川竜之介
覚えている。それは勿論病人の彼を不快にしたことに対する不快だった。
「じゃ僕は失
敬するよ。」
「ああ、じゃ失敬。」
彼はちょっと頷《うなず》いた後《のち》、わ....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
い声を思い出すと、結局|名乗《なのり》なぞはあげない方が、遥《はるか》に先生を尊
敬する所以《ゆえん》だと思い直した。そこで珈琲《コオヒイ》が尽きたのを機会《しお....
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
と場所との制限をうけない美があると信じたがっている。僕たちのためにも、僕たちの尊
敬する芸術家のためにも、そう信じて疑いたくないと思っている。しかし、それが、果し....
「死後」より 著者:芥川竜之介
扇に日を除《よ》けたまま、大きい缶《かん》づめ屋の前に立ち止った。
「じゃ僕は失
敬する。」
缶づめ屋の店には薄暗い中に白菊が幾鉢も置いてあった。僕はその店をち....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
意と反感との前に、いずれも当惑に似た感じを味わないではいられなかった。殊に彼を尊
敬する一団の若者たちに接する時は、ほとんど童女にでも似つかわしい羞恥《しゅうち》....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
、あの婆だぜ。悪くすると、折角の計画も――まあ、すべてが明日の事だ。じゃこれで失
敬するよ。」――こう云いながら、電話を切った泰さんの声の中には、明かに狼狽《ろう....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
は、それらの希望に何の工夫を費さない。 どんなに深く愛する人でも、どんなに重く
敬する人でも、一度心臓音の停止を聞くや、なお幾時間もたたないうちから、埋葬の協議....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
の学者に教えを乞うべきで、私如きものが回答するのは僭越極まる次第であるが、私の尊
敬する白柳秀湖、清水芳太郎両氏の意見を拝借して、若干の意見を述べる。 文明の性....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
しまうであろう。繰返して強調する、今日世界に自由主義國家はどこにもない。我等の尊
敬するイギリスさえ統制主義國家となり、アメリカまた自由主義を標榜しつつ實質は大き....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
べると小さな、つまり普通の眼鏡をかけている。服装もこっちより完全だ。先輩として尊
敬する。棒を五、六本たてて空手でその間を抜けることを練習した。いささか圧倒のきみ....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
晃 頭もどうかしていると思って、まあ、許して上ってくれ。 学円 埃ばかりじゃ、失
敬するぞ、(と足を拭いたなりで座に入る)いや、その頭も頭じゃが、白髪はどうじゃ、....
「「ファン」について」より 著者:伊丹万作
は不幸にも喧騒にして教養なき群衆にすぎなかつた。 私は残念ながらその人たちを尊
敬する気になれなかつた。 これらの人たちを対象として仕事ができるかときかれたら....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
いのは、健康を損してから一層ひどくなった。この後といえどもファラデーのデビーを尊
敬することは依然旧のごとくであったが、デビーの方ではもとのようにやさしく無かった....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
晩秋、伊勢神宮に参拝のとき、国威西方に燦然として輝く霊威をうけて帰来。私の最も尊
敬する佐伯中佐にお話したところ余り良い顔をされなかったので、こんなことは他言すべ....