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敬心
「敬心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
敬心の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「予が半生の懺悔」より 著者:二葉亭四迷
信というものが少しも無かった。然るに一方には正直という理想がある。芸術に対する尊
敬心もある。この卑下、正直、芸術尊敬の三つのエレメントが抱和した結果はどうかと云....
「一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
か否かは別に記するが、仮りに促進であり普及であるにしても、一方に此尊重心減損、崇
敬心潰滅の害を与えつつありては、図書本来の使命たる教化も育成もダイナシではないか....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
くを禁じ得なかった。勿論その尊敬は、悲壮と云うような観念から惹き起される一種の尊
敬心で、例えば頽廃した古廟に白髪の伶人が端坐して簫の秘曲を奏している、それとこれ....
「連環記」より 著者:幸田露伴
なく、後世からは余業雑業と斥けて終うようなことにも、正道正業と思惟さるる事には恭
敬心を以て如何にも素直にこれを学び之を行じたのであった。で、横川に増賀の聖が摩訶....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
城ぐるみ焼いてしまおうという。 浅ましい世の中だ。お上《かみ》に対する人間の尊
敬心というものが、地を払ってしまったのは、お上に威厳がないのか、人間がつけ上って....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
をかえって案内して引廻すようなこともあり、そうして、それぞれ有志たちから受ける尊
敬心を裏切らずに押して行く交際ぶりのまじめさが、米友をいたく驚かせました。これは....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
道庵を知ったものがありません。 ただ、江戸から来た珍客のエライ先生――という尊
敬心が先入となっているのですから、水を打ったような静かさであります。 こういう....
「源氏物語」より 著者:紫式部
っぷりとあるりっぱなお役人でしたからぜひ御懇親を願いたいと思いながら、こちらの尊
敬心をお見せできなかったうちにお気の毒に死んでおしまいになったから、そのかわりに....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
しなければならないような、人間や事物があまりたくさんあった。しかもクリストフは尊
敬心をもっていなかった。人々が彼を訓練してドイツの善良な市民に育てあげようとすれ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
、彼のうちにまだ多少残ってる、怯懦《きょうだ》や、ゲルマン的忠義心や、伝統的な尊
敬心や、君侯の前における屈従的習慣などであった。彼は口をききたかったがそれもでき....
「月の夜がたり」より 著者:岡本綺堂
もう大変にいたんでいるのと、新しい持主は稲荷さまなどというものに対してちっとも尊
敬心を抱いていないのとで、庭の手入れをするついでに取毀すことになった。いや、別に....
「少年の食物」より 著者:木村荘八
屋があって、そこからツケで買いました。『太陽』の表紙が如何にも大人々々していて尊
敬心を払ったおぼえがある。『少年世界』では江見水蔭さんの探検が好きなのに山中古洞....
「山の人生」より 著者:柳田国男
を腰さげにして、わざとちらちらと合羽の下から見せ、駕籠屋・馬方・宿屋の亭主に、尊
敬心を起こさせたという噂は興味をもって迎えられ、甚だしきはあべこべに、狐を騙した....