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数々
「数々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
数々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
は、それらの世間話にはいささかの興味も持ち得ないで、むしろその無意味に近い言葉の
数々を、自分の瞑想《めいそう》を妨げる騒音のようにうるさく思っていた。と、ふと田....
「或る女」より 著者:有島武郎
ざるものらしかった。倉地の気分がすさんで行くのももっともだと思われるような事柄を
数々《かずかず》葉子は聞かされた。葉子はしまいには自分自身を護《まも》るためにも....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
神はフォスフォロス(Fosforos)(注五)を生みぬ。 天に瓔珞とかがやく星の
数々も共に。 (注一) 天の神で風の神々の父。 (注二) 西風。 (注三) 北風....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
の御蔵の中より、この度の儀に就きまして、先方へお遣わしになりました、品々の類と、
数々を、念のために申上げとうござりまして。 公子 (立ちたるまま)おお、あの女の....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
肱の下なる、廂屋根の屋根板は、鱗のように戦いて、――北国の習慣に、圧にのせた石の
数々はわずかに水を出た磧であった。 つい目の前を、ああ、島田髷が流れる……緋鹿....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
と掉ると、従って冷い風が吹きそうである。 別に、仏菩薩の、尊い古像が架に据えて
数々ある。 みどり児を、片袖で胸に抱いて、御顔を少し仰向けに、吉祥果の枝を肩に....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
空の晴れたのに。―― 四 これには仔細がある。 神の氏子のこの
数々の町に、やがて、あやかしのあろうとてか――その年、秋のこの祭礼に限って、見馴....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
ほかと甲を干した、木の葉に交って青銭の散った状して、大小の亀は十ウ二十、磧の石の
数々居た。中には軽石のごときが交って。―― いずれ一度は擒となって、供養にとて....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
で当て、帽子も、御自分で取っておかぶりなさい。 五 神巫たちは、
数々、顕霊を示し、幽冥を通じて、俗人を驚かし、郷土に一種の権力をさえ把持すること....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
、進寄りて、二ツ三ツものいううち、青楓の枯れたるをはじめとして、継母はいたずらに
数々のその昔をぞ数えたる。 「あんたに面と向うては言悪い事じゃがの。この楓の樹な....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
もない有様でした……。私の父は旗色の悪い南朝方のもので、従って私どもは生前に随分
数々の苦労辛酸を嘗めました……。』 問『まあそれはお気の毒なお身の上……私の身に....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
びりついている古い古い僻見であり、又ドウにも始末に行かぬのは、宗教宗派の墨守する
数々のドグマである。これは『時』の流れに任せる外に途がない。われわれの力にも到底....
「真夏の夢」より 著者:有島武郎
ですから、節がよく見えていました。黒ずんだ枝の切り去られたなごりのたまご形の節の
数々は目の玉のように思いなされました。 この奇怪な壁のすがたにはじめて目をとめ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
ここにこういう形見を残していった人の祖父さんにあたる人は、恋愛、決闘、誘拐などと
数々の浮名をながした挙句の果に、かれこれ六十五にもなろうという年をして、自分のと....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
ろに従い、日本大衆党、全国労農大衆党、社会大衆党と、戦争中政党解消がなされるまで
数々の政党を巡礼した。労働農民党分裂のさいできた労農派、日労系、社民系は現在でも....