数え立てる[語句情報] »
数え立てる
「数え立てる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
数え立てるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
地が二つに裂けて、足を過った女子供を呑んでいる画が出て居ります。それから――一々
数え立てるまでもございませんが、その時その風俗画報は、二年以前の大地震《おおじし....
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
もどきの枝だの、無遠慮に直立した電信柱だのがすぐ眼に着くが、その他にこれと云って
数え立てるほどのものはほとんど視線に入って来《こ》ない。書斎にいる私の眼界は極《....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
うで、この頃では縁日なぞでもチーチーガアガアとレコードを売っている。 まだまだ
数え立てると限りもないが、要するにトドの詰まるところ文化生活の理想は何かと考えて....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
。 一利一害、まことに已むを得ないのであろう。 万事の設備不完全なるは、一々
数え立てるまでもないが、肝腎の風呂場とても今日のようなタイル張りや人造石の建築は....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
リストテレスは賢人の七徳とかを述べたが、わが従僕また七徳ありとてその過失を指折り
数え立てるところがある。英国の弁護士で『デカメロン』の諸話の起因と類譚を著わした....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
弾劾となるのは免れ難い因縁かも知れない! 自然、雲助を引立てるために折助のアラを
数え立てることを、道庵先生はちっとも遠慮をしていない。 折助は暗いところで ま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
しには持てません、さて早速ながら本文に移りますが、バクチというやつも、その種類を
数え立てると千差万別、際限はねえんですが、まず丁半《ちょうはん》、ちょぼ一という....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
の他種々雑多の悪事濫行を歓喜天のおかげで成就する方を述べある。ダガ余り大きな声で
数え立てると叱られるからやめる。 斧と槌がもと同器だった事は上に述べた。晋の区....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
はなはだしく紊乱しておったであろうか。足利時代の記録によって、京洛の物騒なことを
数え立てる人もあるかは知れぬが、京都はその実平安朝時代から物騒な所であったのでは....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
は、折りさえあればたいてい彼の前で、彼女のいわゆる三人の息子の「希望」なるものを
数え立てることを忘れなかった。彼女はごく年老いて死ぬに間もない多くの親戚を持って....
「詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
られているのである。私どもが詩を読み始めてから、そうした幾百千の語を送迎したか、
数え立てる事も出来ない。又作家自身も、それ程までの効果を考えずに、ただの言葉に対....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
た。壊れた外廻りの垣根から、廃屋を取毀したあとの整理、井戸浚い、母家の修繕……と
数え立てると眼前に待っている仕事だけでも限りがない気がする。机の前に座って自分の....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
駈落ちをして、権右衛門や新九郎やその他の家来どもに死傷をあたえたかれが不孝不義を
数え立てると、師直は跳り上がるほどに腹立たしかった。それから幾年のあいだ、かれは....
「温泉雑記」より 著者:岡本綺堂
、まことに已むを得ないのであろう。 四 万事の設備不完全なるは、一々
数え立てるまでもないが、肝腎の風呂場とても今日のようなタイル張りや人造石の建築は....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
雪の利用について述べて見たが、雪害の種類も雪の利用もまだまだ沢山あることはここに
数え立てるまでもない。 雪崩《なだれ》の恐ろしさ、吹雪の恐ろしさ、雪が人間の生....