数多い[語句情報] »
数多い
「数多い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
数多いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
停車場前はすぐそこだった。もう十二時近い秋の日ははなやかに照り満ちて、思ったより
数多い群衆が運河にかけ渡したいくつかの橋をにぎやかに往来していた。葉子は自分|一....
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
。 今も、忠直卿を上座として、一段下った広間に大きい円形を描いている若武士は、
数多い家中の若者の中から選ばれた武芸の達者であった。まだ前髪のある少年も打ち交じ....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
に、二つない紋所とは限っていない。故郷の松江でこそ珍しい紋所でも、他国へ行けば、
数多い紋所であるかもわからない。実際、江戸の町住居をしたとき、通りがかりの若衆が....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
千二百十二年の三月十八日、救世主のエルサレム入城を記念する棕櫚の安息日の朝の事。
数多い見知り越しの男たちの中で如何いう訳か三人だけがつぎつぎにクララの夢に現れた....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
てきた。しかしてまた『その以前には創造されていなかった』神々も成り出で、しかして
数多い子孫を生じた。ティアマートはこの神々の群衆が次第に自分の領域を我がもの顔に....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
常な距離があるにしても、いきなりその距離の大きさを俳優に知らせることはよくない。
数多いテストによって少しずつ俳優を引きあげて行って次第にその距離を縮めて行くよう....
「蠅男」より 著者:海野十三
の小屋に住んでいる貧乏サンタクロス爺さんの一家は機嫌がいいかしら」 と、帆村は
数多い懐しい実体鏡のなかを、あれやこれやと探して歩いた。貧乏サンタクロスの一家と....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
引用して、古きイランの詩人たちを推称した。彼は言った――「ペルシア人は五世紀間の
数多い詩人の中で、特筆に値いする詩人としてわずかに七人の名しか挙げないと言われて....
「怪塔王」より 著者:海野十三
青江三空曹の生命をうばった恨みの怪塔ロケットであると思われました。だから、これが
数多いロケット隊の司令機みたいなものでありましょう、兵曹長は、まずこれを占領する....
「死者の書」より 著者:折口信夫
に、輝き増して行く。 姫は、緑青を盛って、層々うち重る楼閣|伽藍の屋根を表した。
数多い柱や、廊の立ち続く姿が、目赫くばかり、朱で彩みあげられた。むらむらと靉くも....
「軽女」より 著者:上村松園
数多い忠臣義士物語の中に出てくる女性のうちで、お軽ほど美しい哀れな運命をになった....
「妖怪談」より 著者:井上円了
ることができるということは難しい。ある場合にはこんなもので、こんなものも世間には
数多いことでございます。 以上のごとく説明いたしてみると、この世界にはなにもの....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
ったのである。そのために、朝廷を上にいただいて形づくられていた藤原氏や村上源氏の
数多い門閥の集団、つまり京都の文化圏を保ってきた公家の社会が、その存立の基礎に不....
「『火星兵団』の作者の言葉」より 著者:海野十三
がいくつも廻っていることでしょう。その数は、何万いや何億とあることでしょう。その
数多い星の中には、丁度わが地球と同じように、気候もよくて、生物がいる星が交ってい....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
。リーマン氏は、ダイタースの遺した資料によってついに全伝を完成したのである。――
数多いベートーヴェンに関する著作の中でこれは最も重要なものである。 〔Ludwi....