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数寄者
「数寄者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
数寄者の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
まず手中しがたい! しがたいとするなら、いうまでもなく高禄の者が、それもよほどの
数寄者《すきしゃ》好事家《こうずか》が、買うか、鍛《う》たせたかに相違ないのです....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
好しとするが、その中でも黒に白斑のあるのを第一とし、白に黒斑のあるのを第二とし、
数寄者《すきしゃ》は非常に珍重するので、その価も高い。ひと口に羽と云っても、翼の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
それが彼の正雪の絵馬であった。この会に集まるほどの者は、いずれも多左衛門に劣らぬ
数寄者であるから、勿論その絵馬を知っていた。そうして、丸多の主人がどうしてそれを....
「名君忠之」より 著者:夢野久作
真竹瓦の四方縁、茶室好みの水口を揃えて、青銅の釣燈籠、高取焼大手水鉢の配りなぞ、
数寄者を驚かす凝った一構え……如何にも三百五十石の馬廻格には過ぎた風情であった。....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
ことだ。 すべて茶を煮るには、炭加減と水の品とを吟味することが肝腎で、むかしの
数寄者は何よりもこれに心をつかったものだ。わざわざ使を立てて、宇治橋の三の間の水....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
が置残して行ったのを、いい無聊《ぶりょう》の慰めにかつぎ出して、手ずさみを試むる
数寄者《すきもの》が、この頃の、不意の、雑多の、えたいの知れぬ白骨の冬籠《ふゆご....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ごずてんでん》、鯉《こい》、白魚《しらうお》……名物ずくめのこの向島のあたりは、
数寄者《すきしゃ》、通人《つうじん》の別荘でいっぱいだ。庵《あん》とか、亭《てい....
「染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
だものだな」 「だから一層値が出ました」 「それは一体どういう訳だ?」 「すべて
数寄者という者は、箔のついたものを好みますからな」教えるような態度である。 「箔....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
普通の糸屋と異って、鎧の縅の糸、下緒など専門にして老舗であった。主人は代々上品な
数寄者であって、いろいろその頃の名工の作など集められた。それで師匠も辻屋に出入り....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
も若井氏に対して出品出来ないことをいい張りました。 これは、注文者がもし素人の
数寄者とでもいうのであれば、あるいはそうすることも時宣に依ってかまわぬことでもあ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
、この行列が一番変っていました」 ということ。私はその話を聞いて、あの竹内さんは
数寄者で変ったことが好きだから、町内の催しで、変った風をして行列の中に交ったので....
「挿話」より 著者:徳田秋声
宗匠はそこで涼の会や虫の会を開いて町の茶人だちと、趣向を競った話や、京都で多勢の
数寄者の中で手前を見せた時のことなどを、座興的に話して、世間のお茶人たちと、やや....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
し耽溺することの快楽を、恍惚として実践する風流人の生活、当時の言葉でいうところの
数寄者の生活ではない。正反対である。彼が希ったのは歌を創造する芸術的行動であった....