数日[語句情報] »
数日
「数日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
数日の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
或銀行へ勤めていた。従って家に帰って来るのはいつも電灯のともる頃だった。彼はこの
数日以来、門の内へはいるが早いか、忽《たちま》ち妙な臭気を感じた。それは老人には....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
をも含まない詠歎があった。そうしてまた、何らの理路をたどらない論弁があった。彼が
数日を費やして書き上げた何回分かの原稿は、今の彼の眼から見ると、ことごとく無用の....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
》ってわれを信ぜず。宗門の内証に背《そむ》くものとして、呵責《かせき》を加うる事
数日なり。されどわれ、わが眼《め》にて見、わが耳にて聞きたるこの悪魔「るしへる」....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
僕の隣に腰を下ろしていた。
「何、水母《くらげ》にやられたんだ。」
海にはこの
数日来、俄《にわか》に水母が殖《ふ》えたらしかった。現に僕もおとといの朝、左の肩....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
は断じてないつもりです。昔なつかしさに、たまに遊びにでもやって来た時、諸君が私に
数日の宿を惜しまれなかったら、それは私にとって望外の喜びとするところです。
こ....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
一
数日前本欄(東京朝日新聞の文芸欄)に出た「自己主張の思想としての自然主義」と題す....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
余裕も無い、煩悶苦悩決せんとして決し得なかった問題が解決してしまった自分は、この
数日来に無い、心安い熟睡を遂げた。頭を曲げ手足を縮め海老のごとき状態に困臥しなが....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
である。彼の言うところによると、彼は他の世界の精霊や天使と交通していて、それらと
数日、数週、ときとしては数ヶ月も一緒にいた。『私は彼らから彼らの住む世界について....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
僕、曩日久保田君に「うすうすと曇りそめけり星月夜」の句を示す。傘雨宗匠善と称す。
数日の後、僕前句を改めて「冷えびえと曇り立ちけり星月夜」と為す。傘雨宗匠頭を振っ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
に頼んだことがあるらしい。多分マスケリーの紹介であったろう。しかしこれは、ほんの
数日であった。 その後しばらくして、ある夜ファラデーの家の前で馬車が止った。御....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
っていたが、やがて独語した。――あの分ならなんとかなる。 三 儀作は
数日おいて再び古谷邸を訪ねた。若旦那と弁護士との間になんらかの話し合いがついてい....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
まるで雛がどっと惣立ちになったように、私等が胸に響いたんです。」 語る時、十有
数日の間を蒸しに蒸した、人類の汗を絞り抜いた、一昨日来の気圧は、正にその極所に達....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
洋にては、結婚のとき夫婦同伴して旅行するは上下一般の通俗なれば、貧富の別なく必ず
数日間旅行するを例とす。ただし、貧なるものは
数日間の旅費を弁ずることあたわざれば....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
数日前、船頭の許に、船を用意せしめおきしが、恰も天気好かりければ、大|生担、餌入....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
その意見が行なわれず、軍に対する命令は直接大臣より送付せられ、時としてモルトケは
数日何らの通報を受けない事すらあったが、戦況困難となりモルトケが遂に出征軍の参謀....