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「敵人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

敵人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
梓川の上流」より 著者:小島烏水
豊臣氏の臣、金森長近に攻められ、自綱は降人に出た、その子秀綱は健気《けなげ》にも敵人に面縛するを肯《がえ》んぜず、夫人や、姫や、侍婢、近侍と共に出奔した、野麦峠....
護持院原の敵討」より 著者:森鴎外
人に宛てた、大目附連署の証文を渡して、敵討を許した。「早々本意を達し可立帰、若又敵人|死候はば、慥なる証拠を以可申立」と云う沙汰である。三人には手当が出る。留守....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
ろ悪事を敢えてなさんとせられるものであって、今甘んじてこの刑に就くのは、これ即ち敵人の奸計に党《くみ》するものであるといわねばならぬと述べ、またこの際、妻や子供....
備忘録」より 著者:寺田寅彦
のとある関係があるのではないかという荒唐な空想が起こる。また一方原始的の食人種が敵人をほふってその屍の前に勇躍するグロテスクな光景とのある関係も示唆される。空想....
十二支考」より 著者:南方熊楠
えば流涕するあり、ニコメデス王殺された時その馬絶食自滅し、アンチオクス王殺されて敵人王の馬を取り騎りて凱旋せしにその馬|瞋《いか》りて断崖より身を投げ落し騎った....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
、数世紀来影の中にすわっていたのが、獅子《しし》のように立ち上がって、自分自身や敵人種の上に、奮然と殿堂の円柱を揺り倒す、かのサムソン。 クリストフは鼻をつま....
反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
を迫っている様に感じられる書き方が、他の部分にも示されている。源氏が、権勢の上の敵人とも言うべき致仕太政大臣の娘を自分の子として、宮廷に進めようとする。其時にな....
人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
くて、神に仕えしむべくこれを贈呈するの義であろうと思われる。戦闘に際して捕獲した敵人を奴隷として使役することは、古代において一般に行われたところである。特に婦女....
法然行伝」より 著者:中里介山
ひん》する時、勢至丸に向って云うことには、 お前はこのことから会稽の恥をおもい敵人を怨むようなことがあってはならぬ。これというのも偏《ひとえ》に先きの世の宿業....
食道楽」より 著者:村井弦斎
の基《もと》は身体にあります。身体の基は食物にあります。食物の衛生に注意するのは敵人に勝つの大根本でありましょう。 第二 飲用水 戦地に在って第一に注意しなけ....
三国志」より 著者:吉川英治
て、戦乱の時、なんで国法をゆるがせにできようか」 「曹操の国法は、曹操の領民と、敵人に掟されたもの。それがしは、丞相の客にして、領下の臣でもない。敵人でもない。....
三国志」より 著者:吉川英治
ある。――かつて玄徳の二夫人に侍して、久しく許都にとどまっていた当時、丞相には、敵人ながら深く関羽の為人を愛で給い、終始|恩寵をおかけ遊ばされたことは、人もみな....
三国志」より 著者:吉川英治
を披露に出ると、孫権と碁を囲んでいた呂蒙が、 「まさにその易はあたっている。――敵人遠くへ奔るという卦の象だ。それがしが思う所とよく一致する。おそらく関羽は麦城....
三国志」より 著者:吉川英治
のとき、城郭の防備などは、少しもしていなかったといわれている。知るべし、跳梁する敵人の残虐ぶりを。魏兵の蹂躙に悲鳴して逃げまどう婦女老幼のみじめさを。――かかる....
私本太平記」より 著者:吉川英治
離散、流竄、いずれも悲境に沈んでいた宮方のあいだでは、いつのまにか、道誉の名が、敵人ながら、理解のある、たのもしい同情者として、つよく記憶されていた。 「みかど....