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敵前上陸
「敵前上陸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
敵前上陸の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二月八日」より 著者:太宰治
蓆《むしろ》を敷いて居られたのだそうで、 「どうも、縁の下を這《は》いまわるのは
敵前上陸に劣らぬ苦しみです。こんな汚い恰好で、失礼。」 とおっしゃる。縁の下に....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
キュッと扱いて、目を閉じた。「第一師団は、マニラの北方二百キロのリンガイエン湾に
敵前上陸し、三日目にはマニラを去る六十キロのバコロ附近まで進出したのじゃったが、....
「碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
人数であった。秀吉が本営名護屋に着いた四月の末頃には、既に行長清正相次いで釜山に
敵前上陸し、進んで数城を占領して居る。行長と清正とが一番乗りを争って、清正が勝っ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
いかけ、綺麗に借金を払って足を洗わせておいてから、出征したものだったが、杭州湾の
敵前上陸後、クリークのなかで待機しているうち、窮屈な地下生活に我慢ができず、いき....
「微笑」より 著者:横光利一
す。」 「人類が滅んじまうよ。」 「その武器を積んだ船が六ぱいあれば、ロンドンの
敵前上陸が出来ますよ。アメリカなら、この月末にだって上陸は出来ますね。」 もう....
「小説と現実」より 著者:宮本百合子
出すまで非人道になり、絶望した若い人々を、そのせっぱつまった心理から、猛然として
敵前上陸でも何でもしてしまうようにもって行った。ちゃんと心理的にそういう戦術をつ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
から、我々が火星へ移住するためには、まず火星人とたたかわなければならない。つまり
敵前上陸をやるつもりでなければ、この事は失敗に終ると言っている。しかし我々は、こ....
「ジャングル頭」より 著者:豊島与志雄
つ、二人で仲よく働いている。彼は戦争中、召集されて前線に赴いた。各地に転戦して、
敵前上陸をすること十三回に及んだ。最後にはサイパンに廻され、所謂サイパンの玉砕前....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
帰還してくる人々への彼らの教育の仕方を見れば一目瞭然だ。 私は、しかし、まるで
敵前上陸するような憎悪をもって祖国へ帰還する人々を罵ろうとは思わない。彼らは悲運....
「戦後合格者」より 著者:坂口安吾
。 彼らのやった仕事の主なるものはと云えば、ナホトカからスクラムをくんで祖国へ
敵前上陸の筋金入りの人達をたきつけて益々ダダをこねさせたり、坐りこませたりするこ....
「三国志」より 著者:吉川英治
動を開始していた。夜な夜な河中の逆茂木を伐りのぞき、やがて味方の掩護射撃のもとに
敵前上陸へかかろうものと機をうかがっていた。 曹操も、内心、恐れを覚えてきたら....
「三国志」より 著者:吉川英治
にいたり、ここに揚子江をさしはさんで呉の水軍と大江上戦を決し、直ちに対岸南徐へ、
敵前上陸して、建業へ迫るという作戦の進路を選んだのであった。 一族の曹真は、こ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
を借りていた。とかく船列は一致しない。何しろ、お座船からの命令一下では、ただちに
敵前上陸へ移る将士をどれも満載している。勢いどの船といえ、先陣を気負ッていた。 ....