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「敵勢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

敵勢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
古千屋」より 著者:芥川竜之介
どのないことだった。しかし家康はいつの間《ま》にか人一倍大きい目をしたまま、何か敵勢にでも向い合ったようにこう堂々と返事をした。―― 「いや、おれは欺《あざむ》かれはせぬ。」 (昭和二年五月七日)....
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
あるから、軍兵ことごとく奮い立って、火水になれと戦ったから、越前勢の向うところ、敵勢草木のごとく靡《なび》き伏して、本多|伊予守忠昌《いよのかみただまさ》が、城....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
時半を過ぎると敵襲は下火になった。昨日敵は三時迄休んだようである。三時を過ぎたが敵勢進攻の模様見えず、午後四時すこし前に警報が解ける。今日は前触れだけで終了した....
長篠合戦」より 著者:菊池寛
仰むき、指物動くは、弱敵なり。 四、槍の穂先上りたるは弱敵、下りたるは剛。 五、敵勢盛んなる時は支え、衰うを見て一拍子に突掛るべし。 と教えたと云う。 中央....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
五左衛門尉|嘲笑って、御覧候え、我々が身辺、半町ほどは敵一人も近付け申さず。ただ敵勢鋭きが為に味方振わないのである。此上は面々討死をして見せ申そうと計りに、青木....
碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
「敵を間近に引寄せて置いて急に後方に血路を開き、中備の隊まで引取るべし。然る時は敵勢追って来るであろう。我部隊中備と合したならば直ちに取って返し一文字に突破すべ....
古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
にげ出しました。建振熊命は勝に乗じてどんどんと追いまくって行きました。 すると敵勢は近江の逢坂というところまでにげのびて、そこでいったん踏み止まって戦いました....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
だんだん上へ反ろうとする。 と、その時小一郎の眼に、チラリと映ったものがある。敵勢の背後《うしろ》、家並の軒、月光の射さない一所に、じっとこっちを見詰めながら....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
た靴音が聞えてきた。こうなっては、わが川上機関大尉がいかに勇猛であるといっても、敵勢を押しかえすことは、まず困難ではないかと思われた。 壮図はついに空しく、わ....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
の、さきだっての戦の如く、桃井、京極、山名、一色殿等の上に細川殿まで首となって、敵勢の四万、味方は二三千とあっては、如何とも致し方無く、公方、管領の御職位、御権....
」より 著者:菊池寛
の雑兵は、新兵衛の鎗先を避けた。味方がくずれ立ったとき、激浪の中に立つ巌のように敵勢をささえている猩々緋の姿は、どれほど味方にとってたのもしいものであったかわか....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の室《へや》があって、そこで労働者らに誓わした、「警報を聞くや直ちに街頭にいで、敵勢の多少にかかわらず戦うべし」と。一度誓いがなさるるや、酒場の片すみにすわって....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
群を一間あまり引きつけて置いて、「カッ」と一|声喉的破裂、もうその時には彼の体は敵勢の中へ飛び込んでいた。ピューッという風鳴りの音! 丸太が斜めに振られたのであ....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
来た。まさしく敵の同勢なのである。その同勢の現われたのを合図に、一旦退いた背後の敵勢が、これも露路を一ぱいにして、二人のほうへ押し寄せて来た。結局紋也とお粂との....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ありました。御齢は十四歳でいられました。束髪にして打もの執って従軍されましたが、敵勢が盛んなるを御覧になって、仏天の加護を得ずんば願成り難しと、白膠木を取りて四....