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「敵弾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

敵弾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
党生活者」より 著者:小林多喜二
、黙ってきいていた。我々の同志は工場にいたときは資本家に搾られ、戦場へ行っては、敵弾の犠牲となっている。だが、この我々の同志を守るものは我々しかない、だから我々....
号外」より 著者:国木田独歩
船体|漸次に沈没、海水|甲板に達せるをもって、やむを得ずボートにおり、本船を離れ敵弾の下を退却せる際、一巨弾中佐の頭部をうち、中佐の体は一片の肉塊を艇内に残して....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
水雷手に都合のよい射撃の機会を与えたのだった。 砲熕の前へ、ノコノコ現われて、敵弾から受けた損傷の程度を調べに行った水兵があった。 一番砲手も、二番砲手も、....
爬虫館事件」より 著者:海野十三
してしまったんです。この弾丸というのは、園長が沙河の大会戦で奮戦の果に身に数発の敵弾をうけ、後に野戦病院で大手術をうけましたが、遂に抜き出すことの出来なかった一....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
えた。きのうのきょうだから、おかしい。 ◯「帝都住宅の地下室化」を提唱す。つまり敵弾で遅かれ早かれ焼かれてしまうであろうから、焼けるのを待つよりいっそのこと、そ....
田原坂合戦」より 著者:菊池寛
峡は益々暗い。天の時なりと考えた少将は、進軍|喇叭を吹かしめ、突進させた。しかし敵弾雨よりも繁しくて、徒らに多くの死傷を出すに終った。此時の戦に、谷村計介も戦死....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
に群がりし砲員の列一たびは揺らぎて、また動かず。艦いよいよ進んで、三個四個五個の敵弾つづけざまに乱れ飛び、一は左舷につりし端艇を打ち砕き、他はすべて松島の四辺に....
戦話」より 著者:岩野泡鳴
ッたり倒れたさかい、どないにやられたかて、同隊の軍曹が調べてやると、足の上を鳥渡敵弾にかすられたんであった。軍曹はその卒の背中をたたいて、『しっかりせい! こん....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
して五、六十倍も拡大したような部屋であった。電源もあれば、通信機も揃っているし、敵弾の防禦壁も完備していたし、地上及び地下における火器の照準や発射を司る操縦装置....
火星兵団」より 著者:海野十三
ったとは、なんという、うつくしいことであろう。まるで戦場で、愛馬が主人の兵士を、敵弾からすくったようなものではないか。 蟻田博士を中に、千二と新田先生とは、き....
太平洋雷撃戦隊」より 著者:海野十三
変困ったことが起りました。 それは一番の手柄をたてた第八潜水艦の出入口の蓋が、敵弾に壊されたことです。これがしっかり閉じられないと、潜水することは出来ません。....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
決心を察していた。彼は上官の腕となり脚となって働こうと思っていた。しかし不幸にも敵弾をうけて、今では平生の十分の一の力もない。自分が生きていたのでは、川上機関大....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
て実業に就いていた。今次の支那事変に五十を過ぎる身で、自ら志願して出征し、鎮江で敵弾を左眼下に受けて戦死された。 この中原君は私が入学した時は、撃剣の選手で五....
母親に憑る霊」より 著者:田中貢太郎
るので心細くなったが、俺は日本男児だ、後へ退くものかと思って奮闘しているうちに、敵弾が頭部に命中して、その後の事は判らなくなったと云って、態度なり詞なりが全く勇....
」より 著者:織田作之助
役者とされていた友田が「よしやろう」と気がるに蘊藻浜敵前渡河の決死隊に加わって、敵弾の雨に濡れた顔もせず、悠悠とクリークの中を漕ぎ兵を渡して戦死したのかと、佐伯....