敵役[語句情報] » 敵役

「敵役〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

敵役の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
通した後《のち》、横柄《おうへい》に煙草をふかし始めた。その姿は見れば見るほど、敵役《かたきやく》の寸法《すんぽう》に嵌《はま》っていた。脂《あぶら》ぎった赭《....
「みちのく」より 著者:岡本かの子
おしろい》や紅を塗《ぬ》って田舎芝居《いなかしばい》で散々｜愚弄《ぐろう》される敵役《かたきやく》に使われているという風評になった。お蘭は身を切られるように思い....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
して、石井兵助は、敵に斬り伏せられなければならなかった。水右衛門の方には助太刀の敵役があらわれて来た。これらの人形も三方から兵助を取り囲んで斬り込んでくるので、....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
のならばゆく／＼は一緒にしてやろう位に思っていたのです。芝居でするように、こゝで敵役の悪侍なんぞが邪魔に這入らないんですから、お話が些と面白くもないようですが、....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
居でも御覧なさい。花見の場で酔っ払っているような奴は、大抵お腰元なんぞに嫌われる敵役で、白塗りの色男はみんな素面ですよ。あなたなんぞも二枚目だから、顔を赤くして....
「映画雑感（Ⅳ）」より 著者:寺田寅彦
見て昔日のこの感じを新たにするような気がした。主役をつとめるノバリーク兄弟とその敵役ショーンブルクの相貌もこの一種特別な感じを強めるもののように思われた。しかも....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
手塚は毎日そこへ出張して芝居の稽古をした、かれは監督であり座長であった、ろばは敵役や老役を引きうけた、新ちゃんは母親やお婆さんになった、若くてきれいで人気のあ....
「安吾武者修業」より 著者:坂口安吾
とえばクサリ鎌や小太刀や宝蔵院の槍など、別格視されるとともに、異端視され、時には敵役に廻されたり負け役に廻されたり、あまりよい扱いを受けないのが普通で、子供たち....
「余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
型が二枚目にしたてられて主人公となる世界においては源太型は常に赤面にしたてられて敵役となるのがきまりだ。中世以降、なかんずく徳川期におよんでその傾向は最も著しい....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
づみ、嫋々と咽ぶ三弦の音、まず音楽で魅せられる。 真っ先に開いたは「鏡山」で、敵役岩藤の憎態で、尾上の寂しい美しさや、甲斐甲斐しいお初の振る舞いに、あるいは怒....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
妓にとっても大事なことであった。 一体女形は人間としては存外善人ではない。例えば敵役も、立敵の役のようなものは立役と並んだ大役であるから、舞台の上では重々しくて....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
して所々に出ている。此のたび機会があったのでまとめてみた。伝説には三井寺はもっと敵役になっているが、さまではと和げて置いた。 一たい歌舞伎劇の手法は、筋の運び....
「城」より 著者:カフカフランツ
とめた。ただ彼は母のことにかまけて、すべてを忘れてしまうのだ。だれがハンスの母の敵役に置かれようと、その人間はすぐに悪者にされてしまう。今はそれがＫだった。だが....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
葉」「ヴェニスの商人」「常闇」。 ○十二月十一日、三代目片岡市蔵死す、五十六歳。敵役と老役を以て知らる。 ○十二月十二日、市川左団次、演劇研究のために欧米旅行の....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
ょに由良の「三羽烏」と呼ばれだしたのもそのころだった。――外の二人とは、一人は「敵役」で売った菱川、一人はかれと同じ三枚目。……といっても、かれにくらべれば芸の....