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「敵意〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

敵意の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
注《そそ》がれているのに気がついた。その眼には涙の漂《ただよ》った底に、ほとんど敵意にも紛《まが》い兼ねない、悲しそうな光が閃《ひらめ》いている。何故この部屋が....
」より 著者:芥川竜之介
しい》れて見たいような気にさえなる。そうしていつの間にか、消極的ではあるが、ある敵意をその人に対して抱くような事になる。――内供が、理由を知らないながらも、何と....
」より 著者:芥川竜之介
屋の中をぶらぶら一人《ひとり》歩いていた。広子は彼の姿を見た時、咄嗟《とっさ》に敵意の起るのを感じた。しかしそれは掛け値なしにほんの咄嗟の出来事だった。彼はもう....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
、どうも私とその男との間には、――あるいは私たちとその男との間には、始めからある敵意が纏綿《てんめん》しているような気がしたのです。ですからその後《ご》一月とた....
河童」より 著者:芥川竜之介
! 弾け!」とわめきつづけています。のみならずトックの雌の河童もいつの間《ま》に敵意を忘れたのか、「警官横暴」と叫んでいることは少しもトックに変わりません。僕は....
彼 第二」より 著者:芥川竜之介
かる? 僕等は戦争の amidst にいるんだ。」 独逸《ドイツ》に対する彼の敵意は勿論僕には痛切ではなかった。従って僕は彼の言葉に多少の反感の起るのを感じた....
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
勿論《もちろん》この芝居に、――或はこの芝居のかげになった、存外深いらしい彼等の敵意に好奇心を感ぜずにはいられなかった。 「おい、何と言ったんだい?」 「その人....
路上」より 著者:芥川竜之介
慌《あわただ》しさを感じずにはいられなかった。殊に俊助は話が途切れると、ほとんど敵意があるような眼で、左右の人影を眺めながら、もどかしそうに下駄《げた》の底を鳴....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
の親しみを持つ事が出来たのであった。が、彼等も一瞬の後には、また以前の沈黙に――敵意を蔵した沈黙に還《かえ》らなければならない事が出来た。 と云うのは河に落ち....
少年」より 著者:芥川竜之介
聞を読むようには読めそうもない代物《しろもの》である。 保吉はこの宣教師に軽い敵意を感じたまま、ぼんやり空想に耽《ふけ》り出した。――大勢の小天使は宣教師のま....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
価する理由は唯《ただ》輿論を蹂躙《じゅうりん》する興味を与えることばかりである。敵意 敵意は寒気と選ぶ所はない。適度に感ずる時は爽快《そうかい》であり、且《....
或る女」より 著者:有島武郎
ふたり》の間柄はすぐ葉子の母に感づかれた。葉子に対してかねてからある事では一種の敵意を持ってさえいるように見えるその母が、この事件に対して嫉妬《しっと》とも思わ....
或る女」より 著者:有島武郎
る魔術を持っている。しかもあの柔順らしく見える愛子は葉子に対して生まれるとからの敵意を挟《さしはさ》んでいるのだ。どんな可能でも描いて見る事ができる。そう思うと....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
彼等に逢ってもらいたい。妖精というものは姿も可愛らしく、心も稚く、少しくこちらで敵意でも示すと、皆怖がって何所とも知れず姿を消して了う。人間界で妖精の姿を見る者....
歯車」より 著者:芥川竜之介
。しかし昼間は晴れていた空もいつかもうすっかり曇っていた。僕は突然何ものかの僕に敵意を持っているのを感じ、電車線路の向うにある或カッフェへ避難することにした。 ....