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敵愾
「敵愾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
敵愾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
心の中には自分の敵がどんな獣物《けだもの》であるかを見きわめてやるぞという激しい
敵愾心《てきがいしん》が急に燃えあがっていた。前には芸者ででもあったのか、それと....
「或る女」より 著者:有島武郎
み》というのにふとした懸念を持ち始めた。未知の女同志が出あう前に感ずる一種の軽い
敵愾心《てきがいしん》が葉子の心をしばらくは余の事柄《ことがら》から切り放した。....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
まだまだほんとうに自分の所有を見いだす事ができないで、ややもするとこじれた反抗や
敵愾心から一時的な満足を求めたり、生活をゆがんで見る事に興味を得ようとしたりする....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
と云う事も、一つの大なる期待ではあったが、軈て現われ来るべき大事件は若い好奇心と
敵愾心とを極端に煽り立てて、私は勇士を乘せて戦場に駆け出そうとする牡馬の様に、暗....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
せられた、本来江戸児とは比較にもならない頓馬な地方人などに、江戸を奪われたという
敵愾心が、江戸ッ子の考えに瞑々の中にあったので、地方人を敵視するような気風もあっ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
レージエンおよびザクセンに限定した。しかも極力会戦を避け、必要以上にマリア女王の
敵愾心の刺戟を避けその屈服を企図したのである。 露援軍の来着を待って七月行動を....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
きっと悪態を吐くのだ。ましてや屈辱のあとだったから、いつものことを想い出すと共に
敵愾心を喚起した。 「きょうはなぜこんなに運が悪いかと思ったら、さてこそてめえを....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
」と、問い返した。 吉弥の病気はそうひどくないにしても、罰当り、業さらしという
敵愾心は、妻も僕も同じことであった。しかし、向うが黴毒なら、こちらはヒステリ――....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ば、恐怖心もどこかへ吹っとんでしまって「おのれ、敵の奴め、味方よ、撃て撃て!」と
敵愾心で身体中が火のように燃える。 ◯良太君の宿所附近二百メートルのところに爆弾....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
「私立探偵。帆村荘六」 大江山警部は、帆村の力を借りたい心と、まだ燃えのこる
敵愾心とに挿って、例の「ううむ」を呻った。そのとき側らに声があった。 「大江山さ....
「地球要塞」より 著者:海野十三
正当防衛だ。あなたから、恨まれる筋はないのだ」 X大使だと知って、私は猛然と、
敵愾心《てきがいしん》を盛り起した。 「なんだ。その正当防衛という意味は?」 ....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
をニコつかせて帆村の前にあらわれた。それは如何にも自信あり気に見えて、帆村探偵の
敵愾心を燃えあがらせた。 帆村は彼を前にして、松山虎夫殺害事件の詳細を細々と語....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
して行く自分を感じて、これではいけないとたとえ遠くからでも無理にも真佐子を眺めて
敵愾心やら嫉妬やら、憎みやらを絞り出すことによって、意力にバウンドをつけた。 ....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
ところで私は岩次郎=これは聖者の幼名=の求道の望みを知ってだいぶこの聖者に対する
敵愾心が薄らいで来た。それはこういう事件であった。岩次郎は或る日、村の小屋掛けの....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
はどうも気乗りがしなかった。それでも金谷宿佗住居の段に進んで来ると、云いしれない
敵愾心が胸いっぱいに漲って来て、かれの眼には残忍の殺気を帯びた。 赤堀水右衛門....