敷居を跨ぐ[語句情報] » 敷居を跨ぐ

「敷居を跨ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

敷居を跨ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鍵屋の辻」より 著者:直木三十五
いる。 「親父、じろじろと見るナ。怪しくみえるかの。武士《さむらい》と云うものは敷居を跨ぐと敵のあるものでのう。鎖帷子、ほうら鎖頭巾、どうじゃ、こうちゃんとした....
食魔」より 著者:岡本かの子
には与えない。誰だか知らないが、世界を慥えた奴はいやな奴だ」 その憤懣を抱いて敷居を跨ぐのだったから、家へ上って行くときの声は抉るような意地悪さを帯びていた。....
」より 著者:島崎藤村
に、まあ、昔話のように成って了った――最早親の家にも別れるのかと思って、ちょっと敷居を跨ぐと……貴方、涙がボロボロと零れて……」 稲垣の細君も思出したように、....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
、傍に大きい、小さい、色々の御守護札が貼り付けてあった。 或る日の事、その門の敷居を跨ぐと、翁が南天の根の草を※っていたので、 「先生。きょうは朔造(梅津)さ....
極楽」より 著者:菊池寛
不思議に足も腰も疲れなかった。現世に生きて居た頃には、お西様へ往復して帰ると家の敷居を跨ぐのにさえ、骨が折れたほどだった。が、今では不思議に、足も腰も痛くない。....
星女郎」より 著者:泉鏡花
かけた土瓶を置く。 「それを見分けるほど、その場合落着いてはいられませんでした。敷居を跨ぐ時、一つ躓いて、とっぱぐったじき傍に、婦人が立ってたので、土間は広くっ....
南国太平記」より 著者:直木三十五
り、勤め方の後始末を取急いで片付け、すぐ、国へ戻れ。許しのあるまで、二度と、この敷居を跨ぐな」 「はい」 「お父様」 綱手は、泣声になった 「お母様に――お母....
春心」より 著者:田中貢太郎
、肆の左側の通りぬけになった土室を通って往った。そこに腰高障子が入っていて、その敷居を跨ぐと庖厨であった。そこは行詰に釜のかかった竃があり流槽があって、右側に板....