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敷板
「敷板〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
敷板の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
がばったりと倒れていた。胸のところから血が流れて、ストーブと熊の皮の敷物との間の
敷板が真っ赤な血溜《ちだま》りになっていた。そして、その手には黒いピストルを固く....
「なめとこ山の熊」より 著者:宮沢賢治
んした」 あの山では主のような小十郎は毛皮の荷物を横におろして叮《てい》ねいに
敷板に手をついて言うのだった。 「はあ、どうも、今日は何のご用です」 「熊の皮ま....
「旅愁」より 著者:横光利一
風にときどき矢代は顔を背けた。崖から雪崩れ落ちる雪の音の聞える路が長く、揺れ動く
敷板の固さに腰骨が痛んだ。途中で馬橇に出会うと、路を除けあうのにこれがまた時間が....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
へ渡るべき橋もない。 一人がバスケットと、一人が一升|壜を下げて、月はなけれど
敷板の霜に寒い影を映しながら、あちらへ行き、こちらへ戻り、で、小村さんが唇をちょ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に別に変ったところはなく、「銀床《ぎんどこ》」という看板、鬢盥《びんだらい》、尻
敷板《しりしきいた》、毛受《けうけ》、手水盥《ちょうずだらい》の類までべつだん世....
「鶏」より 著者:森鴎外
。厩には馬の手入をする金櫛の音がしている。折々馬が足を踏み更えるので、蹄鉄が厩の
敷板に触れてことことという。そうすると別当が「こら」と云って馬を叱っている。石田....
「贋物」より 著者:葛西善蔵
ついてなかった。勾配のひどく急な茅屋根の天井裏には煤埃りが真黒く下って、柱も梁も
敷板も、鉄かとも思われるほど煤けている。上塗りのしてない粗壁は割れたり落ちたりし....
「春心」より 著者:田中貢太郎
大尽として通っていた。 そこは表の客座敷の次の室で、定七の腰をかけている縁側の
敷板は、木の質も判らないまでに古びて虫蝕があり、これも木目も判らないまでに古びた....