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文化主義
「文化主義〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
文化主義の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
も不都合は生じないではないかと云うかも知れないが、併しこの場合の個人主義は一種の
文化主義を伴っている。と云うのは社会の物的生産機構やそれに基く生産技術的な人間的....
「読書法」より 著者:戸坂潤
たのである。彼のようなタイプの進歩的な自由主義者は、私がいつも云うように、一種の
文化主義者であり、文化的な自由主義者に過ぎない。素より彼のようなタイプの進歩的文....
「一本の花」より 著者:宮本百合子
護士ですよ」 「変てこな表現だけど」 ちょっと笑い、朝子が、 「私のは、超女性
文化主義よ」 と云った。 「その奥さんの方、きっと、男の弁護士が利益の寡《すくな....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
も、決して新しい知恵ではない。ドイツの「文化哲学」や「文化社会学」は全くそうした
文化主義のために工夫された学問でしかないので、夫はこの役目さえ果せば退場して好い....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
ものがあろう。
三
社会学現象主義的インテリ論と並び行なわれているものは、
文化主義的インテリ論である。ここではサラリーマンの代りに、もう少し知能上の或る意....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
となれば、之は政治活動その他の社会関係を先回りして、まず文化から話しを始める処の
文化主義に他ならなくなる。自由主義は経済的自由からでも政治的自由からでもその哲学....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
問題に就いて云えば、文化的自由は政治的自由から独立にも成立出来るというのが、この
文化主義的ドイツ哲学による自由の観念だった。だから政治的自由が失なわれた時でも、....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ると思っているのでしょう。そういうことについて沈思しないおろかものが、フランスは
文化主義でそのためにああなったというそらごとをおしつけるのでしょう。ゲーテはどう....
「技術的精神とは何か」より 著者:戸坂潤
ら全く独立に文学的通俗表象によって分析を敢えてする思考法――文学的な評論や放談や
文化主義的形而上学の文章に著しい)、第二は文献学主義(学術の名の下に文献訓詁の成....
「生産を目標とする科学」より 著者:戸坂潤
卑近な功利主義、一種の上つらの実行主義の誘惑である。之に対して後者は、一種軽薄な
文化主義の誘惑である。科学の足を持って技術の地面につける代りに科学の髪の毛をつか....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
と、若い身空で溜息をついている。まことにそれも結構であるが、しかし、これが日本の
文化主義というものであろうと思って見れば、
文化主義の猫になり、杓子になりたがる彼....
「読書遍歴」より 著者:三木清
のを軽蔑して文化を重んじるという、反政治的ないし非政治的傾向をもっていた、それは
文化主義的な考え方のものであった。あの「教養」という思想は文学的・哲学的であった....
「クリティシズムと認識論との関係」より 著者:戸坂潤
られるのだが。 勿論この文化哲学はあまり清冽でない体臭を放っている。その体臭を
文化主義と呼んでいいだろう。その淵源はカント自身にないとは云えない。例えば彼によ....
「哲学の現代的意義」より 著者:戸坂潤
なっているが、ではその文化とは何かと尋ねて見るなら、恐らく満足な返辞の出来る日本
文化主義者はいない、と私は見ている。思想というものに信憑し得ない処に、文化という....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
エポックを作った。頓挫しても新らしい文化の種子を播いたのは争えない。当時の公侯の
文化主義は終に曾我の家式滑稽として終ったが、シカモこの喜劇は極めて尊い滑稽であった。 (大正十四年三月再記)....