文官[語句情報] »
文官
「文官〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
文官の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
ん》の年月ばかり細かい楷書《かいしょ》を並べている。これはただの履歴書ではない。
文官と云わず武官と云わず、あらゆる天下の官吏なるものの一生を暗示する象徴である。....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
るやす》み
――或空想――
保吉《やすきち》は二階の食堂を出た。
文官教官は午飯《ひるめし》の後《のち》はたいてい隣の喫煙室《きつえんしつ》へはい....
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
人生の行路においてひとり九等官のみならず、三等官、四等官、七等官、その他あらゆる
文官、さては誰に忠告をするでもなく、誰から注意をうけるでもないような人たちにすら....
「父帰る」より 著者:菊池寛
も一人前の人間にはなれるということを知らせるために、勉強するんじゃな。わしも高等
文官をやろうと思うとったけど、規則が改正になって、中学を出とらな受けられんいうこ....
「藁草履」より 著者:島崎藤村
の体《てい》に見えさせ給わないのです。花やかに熱い秋の日が照りつけるので、色白な
文官の群は幕の蔭に隠れ、互に膝頭《ひざがしら》を揉《も》みました。 功名を急ぐ....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
かっていて、支那の遼東半島が日本と同じ赤い色で色どられていた。学校じゅうの武官と
文官とが左右にならんだ。そこで今言った教頭の「報復」の話が始まったのだった。 ....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
う武人があった。ある時、その城をあずかっている将軍が饗宴をひらいて、列席の武官と
文官一同に詩や絵や文章を自筆でかいた扇子一本ずつをくれた。一同ひどく有難がって、....
「穴」より 著者:黒島伝治
からどういう仕事をしようと思っているか、P村ではどういう知人があるか、自分は普通
文官試験を受けようと思っているとか、一時間ばかりとりとめもない話をした。曹長は現....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
、印度のある地方に五年間公務に就いていれば、直接または間接に二、三百人の印度人の
文官と、十一、二の中隊や連隊全部の人たちと、いろいろの在野人士の千五百人ぐらいに....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
いる陸軍士官たち。船の観念を少しも持っていない海軍士官たち。政務の概念をも持たぬ
文官たち。好色な眼をし、放縦な舌でしゃべり、更に放縦な生活をしている、最悪の世俗....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ったが、人に教えてもらってワケがわかった。つまりキンシ勲章はなくなったけれども、
文官の勲章はまだ日本にあったんだね。なるほど、我々の老大家も文化勲章をもらった方....
「髪」より 著者:織田作之助
、昭和何年組の秀才として有力者の女婿になることであった。そのため彼等はやがて高等
文官試験に合格した日、下宿の娘の誘惑に陥らないような克己心を養うことに、不断の努....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
かすこともできるではないか。もし彼が新しい役目を望むのなら、その性質として純粋に
文官的である椅子が、いまちょうど空いている。すなわち伯爵をして女王に内大臣への補....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
い附かる。
大きな勲章をぶら下げる。
兄弟までも宮中で
立派なお役にあり附いた。
文官武官貴夫人が
参内すれば責められる。
お后さまでも宮女でも
ちくちく螫される....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
部長の重職にあった私は、到底その重責に堪えず十月、関東軍に転任することとなった。
文官ならこのときに当然辞職するところであるが軍人にはその自由がない。昭和十三年、....