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文脈
「文脈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
文脈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
意味やら、さっぱりわからない。珍らしい文章である。もう少し書き写してみましょう。
文脈がいよいよ不可思議に右往左往するのである。 「夕月が波にしずむとき、黒闇がよ....
「藤村の文学にうつる自然」より 著者:宮本百合子
かな曲線的表現は、「常盤樹」に来て、非常に直線的な格調をもちはじめた。用語も、和
文脈から漢詩の様式を思い浮ばせる形式に推移して来る。「常盤樹」にしろさらに「鼠を....
「今日の文学の鳥瞰図」より 著者:宮本百合子
復興であるかの如き外観を呈した。当時にあっては、佐藤春夫は芸術の技法の面から日本
文脈の研究について一つの見解を示していたが、それは今日の佐藤春夫が「もののあわれ....
「一九三四年度におけるブルジョア文学の動向」より 著者:宮本百合子
れた。しかしそのうまさというものも、内容の調子の低さにふさわしく紅葉時代硯友社の
文脈を生きかえらせた物語体であり、天下の名作のようにいわれた谷崎潤一郎の「春琴抄....
「自然描写における社会性について」より 著者:宮本百合子
を早く吸収したクリスチャン出であったのだけれども、自然を描写する場合になると、漢
文脈の熟語、形容詞をつかって、こんにちの読者にはふり仮名なしにはよめない麗句で朝....
「人間性・政治・文学(1)」より 著者:宮本百合子
美という仮りの調和体をつくることしかできない」日本の文学者の運命をいうとき、その
文脈の底には、「日本の文学は日本そのものの反映なのだ」「日本の芸術の基本的方法は....
「『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
る近いものだろう。故事出典その他修辞上の装飾には随分、仏書漢籍の影響も見えるが、
文脈に至っては、純然たる日本の女言葉である。たとえば冒頭の「いづれの御時にか、女....
「今日の文章」より 著者:宮本百合子
現れている武藤貞一という人が思い出されるのは、単なる偶然ではなかろう。 日本の
文脈ということについて極端にさかのぼってだけ考える人々の間には、漢語で今日通用さ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
う。D・LETD・H・Mこんなに重ったのもあります。そして、日本文に直されている
文脈は大変欧文に似た感じです。etという字もあるところをみると魯迅はフランス語も....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
さんと思わせます、たしかに文章もいいわね。漢文の素養があって、どこまでも日本文の
文脈で、ああいう簡潔な文章をかいた古人は賞讚に価します。徳川後代の文章は低下して....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
嫌になります……理解ある友情が人生に於ての慰安です……」などという言葉……前後の
文脈にうまく包み込まれてはいるが、僕の切ない心が影から覗いてるような言葉、それだ....
「一つの愛情」より 著者:豊島与志雄
ます。悲しくて切のうございます。 吉岡信一郎の娘が病死した時、葉山紀美子から、
文脈乱れがちな短い哀悼の手紙と香奠とが来た。そしてそれからぷっつり、彼女の手紙は....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
。そのインネンのつけ方や、理窟の立て方に於てはユスリをやる者の論法に似て、用語や
文脈の品性に於ても全くそれと同等の教養の低い文章である。それを第一面の匿名論説に....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
、よほど洒落れた男だと思われる。高位の人命にかかわる事態などと言っておきながら、
文脈の中に、綽《しゃく》々たる余裕をしめしている。人を馬鹿にしたようなところもあ....
「獄中通信」より 著者:戸坂潤
一日から毎日一時間前後(長いのは無効)ラムのシェクスピアを自分で工夫憶測しながら
文脈を理解して読む努力を続けること。之に半年苦心すれば英語の読書力と理解力は著る....