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「文辞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
文辞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「作物の批評」より 著者:夏目漱石
したが》わざる、また過去の作中より挙《あ》げ尽したる評価的条項以外の条項を有する
文辞に接せぬとは限らぬ。これに接したるとき、白い烏を烏と認むるほどの、見識と勇気....
「運命」より 著者:幸田露伴
に廃する勿れ。 其十に曰く、 羣経 明訓 耿たり、 白日 青天に麗る。 苟も徒に
文辞に溺れなば、 蛍※ 妍を争はんと欲するなり。 其十一に曰く、 姫も 孔も 亦....
「蒲団」より 著者:田山花袋
ればならぬ理由、処女にして文学者たるの危険などを縷々として説いて、幾らか罵倒的の
文辞をも陳べて、これならもう愛想をつかして断念めて了うであろうと時雄は思って微笑....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
学界に紹介した。この石片は後ちにルーブル博物館に陳列せられたが、これに刻んである
文辞は、断片的ではあるけれども、養子に関する法律の規定であって、多分有名なるゴル....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
を残す位の事は易々たるものがあったであろう。 これは決して筆者の一存の誇張した
文辞ではない。その当時の翁の崇拝者は、不言不語の中に皆しかく信じていたものである....
「備忘録」より 著者:寺田寅彦
る大患と、なんらかの点において非凡な人間との偶然な結合によってのみ始めて生じうる
文辞の宝玉であるからであろう。 岩波文庫の「仰臥漫録」を夏服のかくしに入れてあ....
「連環記」より 著者:幸田露伴
の間には、日ごろ経律の論、証解の談が互に交されていたろうことは想いやられる。勿論
文辞に於ては寂心に一日の長があり、法悟に於ては源信に数歩の先んずるものが有ったろ....
「浅草紙」より 著者:寺田寅彦
人に御礼を云うのが、通例最も賢い人であり、いつでも最も幸福な人である。」 この
文辞の間にはラスキンの癇癪から出た皮肉も交じってはいるが、ともかくもある意味では....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
《じょうげ》するものに非《あら》ず。歌麿一家の制作に対するその詩人的感情の繊細と
文辞の絶妙なるに至つては永く浮世絵研究書中の白眉《はくび》たるべし。殊《こと》に....
「十日の菊」より 著者:永井荷風
十に至ってなお『田舎源氏』の艶史を作るに倦《う》まなかったのは、啻《ただ》にその
文辞の才|能《よ》くこれをなさしめたばかりではなかろう。 四 築....
「霊廟」より 著者:永井荷風
自分はもしかの形式美の詩人テオフィル・ゴオチエエが凡そ美しき宇宙の現象にして
文辞を以ていい現わせないものはないといったように、詞藻《しそう》の豊富に対して驚....
「将来の日本」より 著者:中江兆民
邦《くに》の制度文物、異日必ずまさになるべき云々の状を論ず。すこぶる精微を極め、
文辞また婉宕《えんとう》なり。大いに世の佶屈《きっくつ》難句なる者と科を異にし、....
「将来の日本」より 著者:田口卯吉
弟に頒つ。主意は泰西の理学とシナの道徳と並び行なうべからざるの理を述ぶるにあり。
文辞活動。比喩艶絶。これを一読するに、温乎として春風のごとく、これを再読するに、....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
対して素人の無鉄砲なる駁論を発表したのであった。しかもその論鋒が甚だ鋭利にして、
文辞辛辣を極めたものであったが為か、図らずも当時の学界に一大センセーションを捲き....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
り、恋歌はけしからぬ不行儀のものになったのだが、なお一方には是を題詠として、単に
文辞の綾ばかりで空々しいことをいう風が、いつまでも流行していたのはおかしいことだ....