斜向い[語句情報] » 斜向い

「斜向い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

斜向いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
達の露子と章三の二人が、それを見ていたのだ。 「ははアん。やってるな」 露子は斜向いの座席から、握り合わされた貴子と春隆の手を、安物の彫刻を見るように、眺めて....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
小河内さん夫婦よ。」 葉子は庸三にささやいたが、ちょうど葉子の後ろにある衝立の斜向いの処に、彼らは席を取った。別にそれほど目立つ男ではなかったが、鼻筋の通った....
乳房」より 著者:宮本百合子
さい」 「…………」 「議長!」 この時、ひろ子の坐っている壁ぎわの場所からは斜向いに当るところで、一人の若い従業員が肱を突きのばすような工合に手を挙げた。 ....
猫車」より 著者:宮本百合子
に敷く小布団を縫わなければならないのである。 坂口の爺さんは、お縫のところから斜向いの畳の上につくばっているのであった。鉛筆を我にもあらず舐めくる程気を立てて....
日々の映り」より 著者:宮本百合子
ちゃんマントを編んでいる。ひろ子は、くつろいだ座りかたで本箱のある床柱にもたれ、斜向いで二人はあれこれと喋った。話の末、友子も知っているある知人の女のひとの名を....
道標」より 著者:宮本百合子
ュキンが少年時代をそこで教育された貴族学校のあとだった。その建物と往来をへだてた斜向いのところに、目立たない入口をもった石造の二階建の家がある。建物に沿った古び....
伸子」より 著者:宮本百合子
あまり見たことのない自分の横顔について微かな不安を感じた。順々にわたって、彼女と斜向いになっているさっきの男、名も仕事も知らない中年の男の番が来た。 彼は椅子....
マクシム・ゴーリキイの発展の特質」より 著者:宮本百合子
平凡なホテルの肘掛椅子にかけて、大きいさっぱりと温い手を自然に組み合わせている。斜向いのところに丸テーブルがあって、その上には、もうさめ切った一片のトーストが皿....
マクシム・ゴーリキイの伝記」より 著者:宮本百合子
用肘掛椅子にかけている。大きいさっぱりと温い手を自分の前で自然に組み合せている。斜向いのところに丸テーブルがあって、その上にはもうさめ切った一片のトーストが皿に....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
るために費したようなものだ。 僕の私室は十六号であった。 魚戸の部屋は、その斜向い側の十七号であった。その隣室の十八号が、宣伝長イレネ女史の寝室だった。 ....
北へ行く」より 著者:宮本百合子
斜向いの座席に、一人がっしりした骨組みの五十ばかりの農夫が居睡りをしていたが、宇....
田端の汽車そのほか」より 著者:宮本百合子
たちの垣根が沢山あった。松平の空地をめぐって、からたち垣があるばかりでなく、その斜向いの千種さんの家のからたちの垣が、うちの古びた門につづいていた。あとでは分譲....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
うに、ぐしゃりと踞んでいる。 今度出来た、谷川に架けた新石橋は、ちょうど地蔵の斜向い。でその橋向うの大旅館の庭から、仮装は約束のごとく勢揃をして、温泉の町へ入....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ょうか? お考えおき下さい。 あのスナップショットは三月で終りですね。研究社の斜向いが栗林氏の住居。よって見たら、きょうそちらへ行ったとのこと。これはおめにか....
金狼」より 著者:久生十蘭
がら、急にヒクヒクと鼻をうごかしはじめた。なにか微妙な前兆をかぎつけたのである。斜向いの空地のまんなかに、バラック建ての、重箱のような形の二階家があって、大きな....