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斥ける
「斥ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
斥けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
業と分って以来、甚だ此の夫人を好まぬけれど、身動きも出来兼ねる病人の頼みを無下に
斥ける訳にも行かず「ハイ何なりと聞き入れて上げましょう」夫人「では申しますが、其....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
いうことです。」 僕は彼女の訴えるような、しかしまた情熱に燃えるような目を手で
斥けるようにしてさえぎった。彼女のからだからはその情熱から出る一種の臭いが発散し....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
折賃じゃ、二箱三箱持っていったらどうじゃな」 「いえ、折角ながら――」 言下に
斥けると、まことに退屈男の面目躍如たるものがありました。 「折角ながら、道中の邪....
「老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
の者|選りすぐり、二十名程増やしまして厶ります」 「要らぬ。減らせ!」 言下に
斥けると、さらに颯爽として言った。 「首の座に直るには供は要らぬ。七八名で沢山ぞ....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
特筆に値いする詩人としてわずかに七人の名しか挙げないと言われている。しかし彼らが
斥ける残余の詩人の中にさえも、私などよりは遙かに傑れた人々がたくさんいるのにちが....
「科学論」より 著者:戸坂潤
々が今与えたような説明が現在可能な唯一の説明ではないか。哲学者はどこにこの説明を
斥ける権利があるのか。それとも夫が到底説明し得ないということでも説明しようとする....
「男女関係について」より 著者:大杉栄
一夫一婦という、一種の理想があった。そこで君は、しきりと僕に、他のいっさいの女を
斥けることを迫った。しかし、僕には、それがまったく無意味のことであった。他の女に....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
時計は、まだ八時を少し過ぎたばかりであるし、美和子の子供っぽい願いを、無下に
斥けるのも何となくいじらしく思われたし、 「うん。」と、いってしまった。 うん....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
する能力を意味し、次ぎに更に新しき力を齎らす生産的な快楽を選んで不生産的な快楽を
斥ける意志を意味する。そしてエレン・ケイは猶続けて云う。 「いずれの階級に於ても....
「序に代えて人生観上の自然主義を論ず」より 著者:島村抱月
傍に千万巻の経典を積んでも、自分の知識は「道徳の底に自己あり」という一言でこれを
斥ける勇気を持っている。而してこの知識が私をして普通道徳の前に諦めをつけさせる、....
「猫と村正」より 著者:小酒井不木
していたのであるが、今日母の危篤の電報を受取ってからというものは、何となく迷信を
斥けることが出来ぬようになって、実をいうと先刻、この人から、妻の遺骨云々のことを....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
すに足りなかったので、あたかも凱旋将軍を迎える如くに争い集まる書肆の要求を無下に
斥ける事も出来なかった。 折からあたかも官報局長は更任して、卓落|不覊なる処士....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
口へと流言は拡がる――だが、おそらく、伯爵の政敵どもは、女王をうまく煽てて伯爵を
斥けることに成功したのにちがいない。二月の第一週は、伯爵はいまにもロンドン塔に送....
「革命の研究」より 著者:大杉栄
者であるが、しかし経済問題には少しも大胆でないダントンであった。彼は実に、外寇を
斥けるためには、立憲君主とも妥協し、ブルジョワ地主に圧迫されている農民とも妥協し....
「日本歴史の研究に於ける科学的態度」より 著者:津田左右吉
の物語などが歴史的事実を記したものでないということから、それを無価値のものとして
斥けるのは、大なる誤である。普通に事実といわれるのは外部に生起した何らかの事件を....