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「斥候〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

斥候の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
、馬鈴薯《ばれいしょ》にはべと病の徴候が見えた。虻《あぶ》と蚋《ぶよ》とは自然の斥候《せっこう》のようにもやもやと飛び廻った。濡れたままに積重ねておいた汚れ物を....
勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
軍士官候補生イワノウィッチは、人間として現しうる極度の勇気を発揮した。彼は五回、斥候としてあらゆる危険を冒し、露軍の重砲が敵手に陥るを防ぎ、五人の負傷せる戦友を....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
。 かくて、謙信は、自ら好んで嚢の鼠となったようなものである。信玄大いに喜び、斥候を放って、妻女山の陣営を窺わせると、小鼓を打って謡曲『八島』を謡っている。信....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
臣信長の名を天下に知らしめずに終ったことであろう。丁度、その時、梁田政綱が放った斥候が、沓掛方面から帰って、「義元は今から大高に移ろうとして桶狭間に向った」旨を....
田原坂合戦」より 著者:菊池寛
が、木葉駅に至る頃賊軍既に植木に入って居ると云う報を受けたので、十数騎を前駆させ斥候せしむるに、敵は既に大窪に退いたと云う。ここに於て、駅の西南に散兵を布いて形....
碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
ず敵情如何と、査大受一軍をもって偵察に出かけた処が、坡州を過ぎた附近で、日本軍の斥候隊と遭遇した。僅かな人数なので忽ち日本の斥候隊は大受の騎兵団の馬蹄に散らされ....
鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
お一人でしょうが、どんなお役柄ですの」 「僕ですか。僕はその、戦争でいえば、まあ斥候隊というところですなあ」 「斥候隊は、向こうへいって、どんなことをなさいます....
人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
目を光らせていた。 4 「おい、たいへん、たいへん」 五人の原地人|斥候は、酒をのんでいる酋長のところへ、とびこんできた。 「なんじゃ、騒々しい」 ....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
ろは。これほど真面目な重大な使命が、ほかにあるだろうか。国防の最前線に立つ将校|斥候を、あえて君は不真面目というのか」 大佐の言葉は、一語一語、火のように熱か....
大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
佐たちにしらせようじゃないか」 「ああ、そうだったね。ぼくたちは、おもいがけなく斥候隊になっちまったね」 そういって二人は、いつしか中ごしになっていたこしをの....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
その信号を読んだ艦内の水兵が顔をくずして仲間の者に呶鳴る。 「おい、上陸人の斥候報告があった。上には食堂のすばらしいのがあるぞう。酒も洋酒だが、なかなかうま....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
花嫁が来た。」と言ったんです。――来たらば知らしておくれよ、と不断、お茶っぴいを斥候同然だったものですから、聞くか聞かないに、何とも、不状を演じました。……いま....
イワンの馬鹿」より 著者:菊池寛
さしてやれ。」 とイワンは言いました。 タラカン王は、国ざかいを越えると、すぐ斥候を出して、イワンの軍隊のようすをさぐらせました。ところが、驚いたことにさぐっ....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
九 ホーキン氏の率いる遠征隊が、チブロン島へ上陸するや否や、土人の斥候が早くも見附け、ピューッと鋭い笛を吹いた。するとその笛は他の笛を呼び、さらに....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
想を見出して行きます。 (注意二)なおまた大切なことは、塹壕戦に向った以上、常に斥候、偵察機(直観)を働かして敵(目的、理想)の様子と味方との関係(自分の進況)....