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「断る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

断るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
た》いにも違いないがね。………お父さんにも一応話して見れば善いのに。お父さんから断るのならばお前にも責任のない訣なんだから。」――そんなことも口に出して言ったり....
十円札」より 著者:芥川竜之介
の前につむじ風に面するたじろぎを感じた。のみならず窮状を訴えた後《のち》、恩恵を断るのは卑怯《ひきょう》である。義理人情は蹂躙《じゅうりん》しても好《い》い。卑....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
よく、年輩も二つ三つ若いように見えました。それが監督の竜神さんであることはここに断るまでもありますまい。 一|応簡単な挨拶を済ませてから、私は早速右の監督のお....
婦系図」より 著者:泉鏡花
心ありげに早瀬の顔を。 「だが、何だよ、私ア」と云った調子が変って、 「媒介人は断るぜ、照陽女学校の教頭じゃないんだから。」 十八 そうすると英....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
下を氷で冷すばかりの容体を、新造が枕頭に取詰めて、このくらいなことで半日でも客を断るということがありますか、死んだ浮舟なんざ、手拭で汗を拭く度に肉が殺げて目に見....
黒百合」より 著者:泉鏡花
遣るんだ。加賀からも、越後からもね、おい、泊懸の参詣で、旅籠町の宿屋はみんな泊を断るというじゃあねえか。二十一日の間拝ませた。二十一日目だったかな、おいらも人出....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
たような、髪|蓬に、骨|豁なりとあるのが、鰐口の下に立顕れ、ものにも事を欠いた、断るにもちょっと口実の見当らない、蝋燭の燃えさしを授けてもらって、消えるがごとく....
三枚続」より 著者:泉鏡花
日その日、風の吹く方にぶらぶらと遊びに出て、思い出すまでは家に帰らず、大切な客を断るのに母親は愚痴になり、女房は泣声になる始末。 またかい、と苦笑をして、客の....
式部小路」より 著者:泉鏡花
うで。 そうかと思うと、時にゃがらりと巫山戯出して、肩へつかまる、羽織の紐を引断る、膝を打つ、擽る。車夫でも待っていないと、帰りがけに門口からドンと突飛ばす、....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
、小県銑吉の話すまま、つい釣込まれて、恋人――と受次いだが、大切な処だ。念のため断るが、銑吉には、はやく女房がある。しかり、女房があって資産がない。女房もちの銭....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
と頷いて、台所の方を振返りながら、 (ちょいと、御免なさいよ。) 支度を、と断るまでもなく、平常着のままで出は出たが、――その時、横向きになって、壁に向うと....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
したので、お役所にそんな金子の用意はなかったんです。さあ、そうなると頼んだ職人を断るにつけて、作料を渡すにさえ、御新造さんの記念の小袖。……この方はね、踊のお師....
古狢」より 著者:泉鏡花
、美しく婀娜なお藻代の名だけは、なか間の先頭にかき込んでおくのであった。 ――断るまでもないが、昨日の外套氏の時の落雁には、もはやお藻代の名だけはなかった。―....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
ぐに頷かれよう。芸妓である。そのまま伴って来るのに、何の仔細もなかったこともまた断るに及ぶまい。 なお聞けば、心中は、単に相談ばかりではない。こうした場所と、....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
とその晃の鎌を持つ手に縋りいる。 晃 帰れ、君たちア何をしている。 初雄 更めて断るですがね、君、お気の毒だけれども、もう、村を立去ってくれたまえ。 晃 俺をこ....