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断書
「断書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
断書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
の者のこの際の無駄話は実にいやであった。寄ってくれた人たちは当然のこととして、診
断書のこと、死亡届のこと、埋葬証のこと、寺のことなど忠実に話してくれる。自分はし....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
病で寝ていたということにして置きますから……」 といって、その旨をすぐに死亡診
断書に認めてくれた。 「ああ助かった――」 と妾はそこで始めて胸を撫で下したの....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
連中が一致団結して事に当っているのもおかしいと言えば言えないこともないし、死亡診
断書を書いたN博士だって、何か動機があれば、インチキ証明書を書かぬとは言えないだ....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
、あるいは立ち合って頂いても結構ですが――」 と言葉を濁した。 医者が死亡診
断書を書くのを拒んだのも当然だった、やがて判明したところによると、ある恐しい毒薬....
「世間師」より 著者:小栗風葉
一人だった。私は毎日銭占屋の為事を手伝ってやっている。この時も板木へ彫ったその判
断書を駿河半紙へ刷っていたが、万年屋の出かけた後で、女房は独り沈みこんでしまって....
「二少女」より 著者:国木田独歩
半ばかり前からお秀は全然局に出なくなった。初は一週間の病気届、これは正規で別に診
断書が要らない、其次は診
断書が付て五週間の欠勤。其内五週間も経た、お秀は出て来な....
「外米と農民」より 著者:黒島伝治
くる──一度や二度はその病気の看板もきくがそうたび/\は通らない。そこで医者の診
断書を取ってくる。これなどまだ小心で正直な方だが口先のうまい奴は、これまでの取り....
「土鼠と落盤」より 著者:黒島伝治
医者は答えた。武松は忽ち元気を横溢さした。 「じゃ、先生、この森と柴田の死亡診
断書にゃ、坑内で即死したと書いて呉れますね。」 「わしは、坑内に居合さなかったか....
「愚人の毒」より 著者:小酒井不木
と大声でお言いになりました。それから死体をちょっと診て、すぐさま家に帰り、死亡診
断書をお書きになりました。病名のところに明らかに亜砒酸中毒としてありますので、そ....
「深夜の電話」より 著者:小酒井不木
金を詐取する目的で、この毒をのみ、死んだように見せかけて、医師をあざむき、死亡診
断書をとって保険金を貰い、自分は後に生きかえって、その金で栄華な暮らしをしたとい....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
のうちで、今ではハッキリ監督などに対して「畜生!」と思っている者等は、医者に「診
断書」を書いて貰うように頼むことにした。監督は蛇に人間の皮をきせたような奴だから....
「白痴」より 著者:坂口安吾
お稽古にきて苦しみはじめ、結局死んでしまったが、そのとき町内の医者が心臓麻痺の診
断書をくれて話はそのまま消えてしまった。え? どの医者がそんな便利な診
断書をくれ....
「水鳥亭」より 著者:坂口安吾
て、ふりむいた。 信子と克子は正月の休みに大伯母のもとへ行ったまま、学校へは診
断書を送って、再び東京へ戻らなかった。 三月十日の空襲に、亮作も野口も焼けださ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
狂、自殺、という事実を知っているのは花田だけなのだ。そして彼が、病死というニセ診
断書を書いたのである。咲子はそこに思い当った。 正司は次男であった。キク子の上....
「三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
=暗転= 「――そんなわけで、私が手にかけて殺したわけではなく、医者の死亡診
断書の通りなので御座いますが、その髪を抜いたり眉毛を抜いたり、その上に八つに切り....