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断然
「断然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
断然の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
。今日は御仏参に行ったのだから、お寺の坊さんに聞いて来たのだろう。」
「違う。」
断然として首を振った太郎は、馬琴の膝から、半分腰をもたげながら、顋《あご》を少し....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
格子戸《こうしど》をしめ、やっと門外に退散した。自分はこの時こう云う寄附には今後
断然応ずまいと思った。
四人の客は五人になった。五人目の客は年の若い仏蘭西《フ....
「或る女」より 著者:有島武郎
っとすると上陸を見合わせてそのまま帰るという事を聞いたが、もしそうなったら自分も
断然帰朝する。気違いじみたしわざとお笑いになるかもしれないが、自分にはどう考えて....
「或る女」より 著者:有島武郎
しいて繰りながら簡単な手紙を乳母《うば》にあてて書いた。それには乳母とも定子とも
断然縁を切るから以後他人と思ってくれ。もし自分が死んだらここに同封する手紙を木部....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、厭なものは厭だ、と城を枕に討死をする態度で、少々|自棄気味の、酒井先生へ紹介は
断然、お断り。 そこを一つお考え直されて、と言を残して帰った後で、アバ大人が媒....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
拡充に努力したのに対し、自由主義の仏英は漫然これを見送ったために、空軍は質量共に
断然ドイツが優勢であることは世界がひとしく認めていたのであります。今度いよいよ戦....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
、一度芸者をしたものには、到底、舞台上の練習の困難に堪える気力がなかろう。むしろ
断然関係を断つ方が僕のためだという忠告だ。僕の心の奥が絶えず語っていたところと寸....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
池らは胸が悪いからお湯をくれといって甘酒を侮辱したので、坊城の頭が傾いたと思うと
断然うまいとがんばった。瘠我慢で戸田と二人でとうとう呑みほした。恐ろしいがんばり....
「橋」より 著者:池谷信三郎
み越えて行ってしまうんだ。自分たちは小ブルジョア階級のあげる悲鳴なんかに対して、
断然感傷的になってはいられない。だけど、あなたにはお友だち甲斐によいことを教えて....
「読書子に寄す」より 著者:岩波茂雄
従来の方針の徹底を期するため、すでに十数年以前より志して来た計画を慎重審議この際
断然実行することにした。吾人は範をかのレクラム文庫にとり、古今東西にわたって文芸....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
るべし。 すなわち徳川家が七十万石の新封を得て纔にその祀を存したるの日は勝氏が
断然処決すべきの時機なりしに、然るにその決断ここに出でず、あたかも主家を解散した....
「あゝ二十年」より 著者:上村松園
月 で私は、いつまでもこれではならぬと考えまして、この春になりましてから、
断然発奮いたしまして、ぜひ今度こそはと思い定め、あらゆる画の関係を断ち、一意専念....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
して衣食の道を他に求めるべく考えていたのがこの不快な絶望にいよいよ益々|沮喪して
断然文学を思切るべく決心した。 だが、世間は作者自身が失望する如くにこの第三篇....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
とあるも、これに応答するを得ず。これ、余の自ら遺憾とするところなり。ここにおいて
断然意を決して、南球周遊の途に上るに至る。 けだし、北半球はこれを人の年齢に比....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ない。そこで私は日蓮聖人を人格者・先哲として尊敬しても、霊格として信仰することは
断然止むべきだと考えたのである。 このことに悩んでいる間に私は、本化上行が二度....