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斯うして
「斯うして〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
斯うしての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
眼底に、この毒々しい赤い三角形が刻み込まれたことを信ぜずには居られませんでした。
斯うしておいて其の翌日は、細田氏に三角形の原質的な記憶を呼び起さしめるために同じ....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
のために、身体がガタガタ震え出すのを、どうしても我慢が出来ませんでした。 さて
斯うして戸外に飛び出してはみたものの、第一番に何処に通報すべきであるか。一番手近....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
にも及ばなかった。 兼ねて、襲来するかもしれないと思われていたのであるが、いま
斯うして、北海道と、青森県の、ほぼ中間を覘って、大挙襲来しているのを知っては、流....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
奴は、幽霊である上に御丁寧にもおかしいのだと思った。 「いいかネ。死んだ筈の僕が
斯うして君の前に立っているのだ。見たまえ、ここはすこし淋しいが、たしかに四谷の通....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
の灯影を思い泛べて、秋の深まり行く巴里の巷を幸福と懊悩に乱れ乍らさまよい歩いた。
斯うしてカテリイヌと二度会う機会を待っているうちに新吉は思いがけなく遊び女のリサ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
しづつ人心地が出てまいりました。うとうとしながらも私は考えました。―― 『私は今
斯うして、たった一人法師で寝ているが、一たいここは何んな所かしら……。私が死んだ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
いて、推理を試みつつあったが、それでも通信は、何の障害なしに、規則正しく現れた。
斯うして書いた通信の枚数は沢山だが、それで少しも修正の必要なく、文体も立派で、時....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
だ」 持上げられるだけ持上げられても、其実|入牢させられたも同様で有った。 「
斯うしていては、秋岡先生に相済まぬ」 竜次郎は全部魂が腐敗し切ってもいなかった....
「母と娘」より 著者:岡本かの子
し離れて冷静な立場から考えさせる余裕を与えるものとして、二人に喜んで迎えられた。
斯うしてアグネスは六月五日、朝九時ヴィクトリヤ・ステーションから巴里へ向けロンド....
「春」より 著者:岡本かの子
に触れて居る自分を、天地の間の誰にでも見られて居るようで、非常に辛くて堪らない。
斯うして京子を庇って暮すことは物質的にも精神的にも、加奈子の負担は容易ではない。....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
させ乍ら、イベットは長い睫を昼の光線に煙らせて、セーヌの河口を眺めて居る。彼女が
斯うしてじっとして居る時は、物を眺めて居るのか、何か考えて居るのか小田島には判ら....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
ているとすれば、彼は三枝の補助者であるか、共謀者であるかである。 然し、警察が
斯うして事件を探求しているうちに、求めに応じて各地からかかって来た長距離電話は、....
「勘平の死」より 著者:岡本綺堂
からね。 十右衛 そうだ、そうだ。それだから猶さら始末が悪い。眼のさめるまでまず
斯うして置け。(人々に。)みんなももう用はないから、ここには構わずにめいめいの仕....
「影」より 著者:岡本綺堂
。怪我でもさせると、いけない。 重兵衛 なに、云うことを肯かない時には、いつでも
斯うして引っぱたくのです。野郎、まだ来ねえか。(又もや枯枝をふり上げる。) ....
「画工と幽霊」より 著者:岡本綺堂
れとは無しに探りを入れたが、相手は更に張合のない調子で、「別に何とも思いません、
斯うして数年住馴れて居りますと、別に寂しい事も怖い事もありません」と、笑っている....