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施薬
「施薬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
施薬の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
な場所に属するからと言って、くわしくその症状を告げ、それによってよろしく判断し、
施薬せられたいとのことであった。そこで彼は求められるとおりにしてやったこともある....
「女給」より 著者:細井和喜蔵
第三日曜日で恰度工場が休みの日、登恵子は良人の枕辺へ今しも臨時病院から貰ってきた
施薬を運んでこう相談した。 「全く、貴方のお腹はおかど違いのお医者で通り一辺の施....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
宗も万々合点していることだから、其年の暮には上方の富田左近|将監《しょうげん》や
施薬院玄以に書を与えて、何様《どん》なものだろうと探ると、案の定一白や玄以からは....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
思いきった八ツ当りを浴びせ、医学館の薬品会をコキおろし、伊藤|玄沢《げんたく》の
施薬をおひゃらかし、三臓円や、小見山宗法が店をひやかし、ういろう、きしめん、名古....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
集ふ青砥殿 五月雨の合羽すれあふ大手かな 蓑を着て河内通ひや夏の雨 清水ある家の
施薬や健胃散 雨雲の摩耶を離れぬ卯月かな 大沼や蘆を離るゝ五月雲 短夜や蓬の上の....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
かで、これだけはいくらか世のためになったといえるのがあるとすれば、貧病者への無料
施薬がそれであろう。しかし、それとて真に慈善の意志から出たものか、どうかは、疑わ....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
ゆか》涼み笠《かさ》著《き》連歌の戻りかな 秋立つや白湯《さゆ》香《かんば》しき
施薬院 秋立つや何に驚く陰陽師《おんやうじ》 甲賀衆《かふがしゅ》のしのびの賭《....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
道路なども非常に立派なもので、神の国の道のように出来て居る。また病気になっても
施薬病院があって結構な薬を銭も取らずにくれる。それから貧苦に迫って食物がなくなれ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
治、道徳の帰趨を知らしめられ、支那大陸文化の輸入を図って産業治生の途を講ぜられ、
施薬、療病の諸院を興して貧民を救恤せらるる等、仏教の生活化、理想の現実化に向って....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
りを偲ばせる元林院|址とか、光明皇后が浴舎を建てて千人の垢を去りたもうた悲田院|
施薬院の址などもあるが、それも今は、苔と雑草の中からわずかに当時の石が顔を出して....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
根が、低地低地に密集している。そしてここにも散所民の生態がそっくりあった。しかし
施薬院、療病院、悲田院など、彼らのための施設は、荒れはてていた。 もともと、聖....