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旅亭
「旅亭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旅亭の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
寺の前へ降りてくる。 お千代は北の幸谷なる里方へ帰り、省作とおとよは湖畔の一|
旅亭に投宿したのである。 首を振ることもできないように、身にさし迫った苦しき問....
「仇討たれ戯作」より 著者:林不忘
と三馬はにたにたして語をつないだ。 「なるほど、六樹園大人は小伝馬町の名だたる
旅亭《りょてい》糠屋《ぬかや》のおん曹子《ぞうし》、生涯衣食に窮せぬ財を擁してこ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
き驢を貰う、その下に風呂敷さえ拡ぐれば、銭を便して満てる。それを率きて行き暮れて
旅亭に宿り驢と同室に臥すを怪しみ亭主が覗くと、銭多く出す様子、因って一分一体|異....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
の腰へ差し、時計を懐へ納れ、まだ何か有るかと探したが、大概の物は皆鞄へ納れて此の
旅亭へ預けて置きましたから何も有りません、岡村由兵衞の枕元へ参って見ると煙草入が....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ディエという。最近彼はパリー近傍の小村シェルもしくはモンフェルメイュにおいて、小
旅亭を営めるはずなり。もし予が子にしてテナルディエに出会わば、及ぶ限りの好意を彼....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
の日も前日のごとく、某官衙に出務せり。とき三月一日なり。日課を終え、午後六時ごろ
旅亭に帰り浴湯し、まさに晩餐を喫せんとす。
旅亭の下婢、左側の障子を開き、手に電報....
「旅の旅の旅」より 著者:正岡子規
るるままに行けばいとむさくろしき家なり。前日来の病もまだ全くは癒《い》えぬにこの
旅亭に一夜の寒気を受けんこと気遣わしくやや落胆したるがままよこれこそ風流のまじめ....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
事が沢山あります。あれなぞは多く汽車中で有毒細菌を吸い込む結果でしょう。それから
旅亭《やどや》へ着くと夜具蒲団《やぐふとん》から膳《ぜん》椀《わん》皿《さら》小....
「三国志」より 著者:吉川英治
を待っていた。 ところが、幾日たっても、相府からの召しがないので怪しんでいると
旅亭の館主が、 「それは、姓氏を簿に書き上すとき、賄賂を吏員に贈らなかったからで....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
えるほどに」 高氏は、武蔵府中の駅路で川止めにあっていた。 六所明神に近い一
旅亭の門に、ひと目で“釜のふた”と市人にもわかる足利家の紋幕がそれである。主従二....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
を何というか知らぬと謂っている。東北地方では福島県南部の、県道|交叉点に臨んだ一
旅亭で、その越後から同じ機械を、売りに来ている行商人の一群に出会って、詳しい問答....