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旅券
「旅券〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旅券の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河明り」より 著者:岡本かの子
と世間も広くなって、もっと私と話が合うようになりますから」 それから、女二人の
旅券だの船だの信用状だのを、自分一人で掻き込むようにして埒を開け、神戸まで見送っ....
「安重根」より 著者:谷譲次
面倒を見てもらって、帰りに、ハルビンまで家族のやつらを伴れて来てもらうつもりだ。
旅券の関係で、ウラジオへ呼ぶということは厄介だからねえ。 禹徳淳 (驚いて)ほん....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
日の午後、こんどはとんでもない警察につかまってしまった。 秩序紊乱、官吏抗拒、
旅券規則違反というような名をつけられて、警察に一晩、警視庁に一晩とめられて、三日....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
。そのとき切符売場で駅員とアンの間になにかごたごた押問答の場面があったが、アンが
旅券みたいなものを示し、そして仏天青を呼びつけて、彼の顔を駅員に見せることによっ....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
走っている最中やのに、こんな処へ帰ってはさア大変だ、早く船へ帰ろうと思ったら、又
旅券の下附願いからやり直さねばならぬ事になって、これはなんじゃと思うて、フト夢か....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ぐあいに帽子を潰してかぶり、彼女は断髪にしかと花束を抱えていた――も、長春では、
旅券をしらべに車室へ来た支那の官憲が、一眼で日本人と白眼んだためにそのままに済ん....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
、あっちの隅では二同胞のあいだに先刻から大論判がはじまっている。 『諾威も瑞典も
旅券の査証は要らないんだ。』 『そうかなあ。どっちだったか確か要る国があったと思....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
つまでもここにのこっている。年がら年じゅう警察のいすに腰をかけて、ひとが外国行の
旅券を受け取っていくのをながめている、これがわたしの持ってうまれた運なのだ。うん....
「イオーヌィチ」より 著者:神西清
な市民をつかまえて、有難いことに人類はだんだん進歩して行くから、いずれそのうちに
旅券だの死刑だのといったものは無くて済むようになるでしょう、例えばそんな話をもち....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
明けないうちにすでにパリから遠く離れていた。フェリクスは、父と妹と自分の名まえで
旅券を手に入れた。前もってその計画を父に伝えておいたので、父は旅行を口実にして自....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
。それはデビーが欧洲大陸を旅行するという事件で、デビーはナポレオン皇帝から特別の
旅券をもらい、夫人同伴で旅行する。そしてファラデーを書記として伴うことになった。....
「褐色の求道」より 著者:岡本かの子
独逸人を間諜じゃないのかと疑い出し、我が国の外務省も気兼ねをしながら、印度入りの
旅券を下附してくれますが、イギリスの領事館で上陸許可の査証を仲々くれません。 ....
「火夫」より 著者:カフカフランツ
の視線にさらされることをちっともためらわずに、例の隠しポケットをごそごそ探して、
旅券を取り出した。そして、これ以上自己紹介するかわりに、その
旅券を開いたまま机の....
「妻」より 著者:神西清
顔に泥を塗るようなことをしはしまいかという、片時も休まらぬ病的な恐怖だ、またもや
旅券の拒絶だ、手紙の往復だ、絶対の孤独だ、彼女への愛慕だ、そして五年もすれば、老....
「かもめ」より 著者:神西清
ため」って奴でさ。しかも、これっぱかりの才能もなし、一文だって金はなし、おまけに
旅券にゃ――キーエフの町人と書いてある。なるほどうちの親父は、有名な役者じゃあっ....