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「旅程〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

旅程の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
んぶん》十年|陰暦《いんれき》十月の末、喜三郎は独り蘭袋に辞して、故郷熊本へ帰る旅程に上《のぼ》った。彼の振分《ふりわ》けの行李《こうり》の中には、求馬《もとめ....
新生」より 著者:島崎藤村
い声で笑った。ともかくも岸本は英吉利まで牧野等と同行することにした。それから先の旅程は倫敦《ロンドン》に着いて見た上で定めることにした。何と言っても戦時の旅であ....
深夜の市長」より 著者:海野十三
を一歩一歩登っていった。それはジャックが豆の木に攀じのぼるように、長い長い遥かな旅程だった。睡くなって来た。…… 気がついてみると、僕はなんだか温いものの上に....
十五年間」より 著者:太宰治
固い種を噛みくだいたのである。ぞっとした。 しかし、これでもまだ、故郷までの全旅程の三分の一くらいしか来ていないのである。読者も、うんざりするだろう。あとまた....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
らせて実否を見とどけさせると、果たしてそれは事実であると判った。但し致華は官用の旅程を急ぐ身の上で、そのまま出発してしまったために、人魚ともいうべき徐氏をどう処....
たずねびと」より 著者:太宰治
ったのですが、思えば前途雲煙のかなたにあり、うまくいっても三昼夜はたっぷりかかる旅程なのです。トマトと桃の恵投にあずかり、これで上の子のきょう一日の食料が出来た....
火星探険」より 著者:海野十三
、日頃は楽天家のネッドも箱車の後から顔をのぞかせて青息吐息であった。 それでも旅程は一日一日とはかどって、だんだんアリゾナ州へ近づいていった。とはいうものの、....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
神さまが御存じだ――数々の手続きと極くすこしの可能性しかないというので、にわかに旅程を一変して「赤い都」の何日かを持つべく、保護色のために私たちもせいぜい赤い顔....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
好きにならなければならない――と、ここに妙な決心を固めて、それから一週間延ばしに旅程を変更しちゃあ毎日曜日に闘牛へ通い出した。が、やっぱり駄目だ。あのピカドウル....
リギ山上の一夜」より 著者:斎藤茂吉
聞などを見、きょう立ってこの山上にのぼって来た道筋だの、明日立ってこの山をくだる旅程だのを話合った。それから生れ故郷の誰彼に便りを書こうとしたが、ただ独逸にいる....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
日遅れていたのに、今度は追いついて、私がはじめて大海を見たときには、怪物は一日の旅程だけ先に進んでいたので、海岸に達しないうちにやつをつかまえられる望みがあるこ....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
発という日の夕方、一同はこわれた甲板に食卓をならべて、しばらくの別れをおしんだ。旅程は四日だが、名も知らぬ土地である。河また河、谷また谷、ぼうぼうたる草は身を没....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
たようなもので、ここからチベット第二の府たるシカチェという所までは僅かに五日間の旅程しかないのです。で川を渡ると南に当ってシナ人の立ててある旅館がある。旅館とい....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
う。近年の新設で、陸地測量部の地図には載っておらぬ。地図をたよりに金沢柵址踏査の旅程を予定した自分には、当初この駅の存在がわからず、したがって汽車の切符も次の飯....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
た。 さあ、いよいよ海豹島だ。 読者諸君。 私はもうじりじりしていたのだ。旅程が長くて、いつまでも私の筆はこの目ざす一大驚異境に達しなかったからだ。 来....