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旗印
「旗印〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旗印の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
情の自然が、自らその頑《かたくな》な固定性に飽いて、抗《あらが》い出た自己嫌悪の
旗印か、または非生の自然に却って生けるものより以上の意志があって、それを生けるも....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
ういう一切の同胞相食むの愚を即刻捨て去らねばならないのだ。そして直ちに地球防衛の
旗印の下に協力し結束し、彼等を迎える準備を急いで始めなければならないのだ。それは....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
見当違いな満足を与えんが為めに、愛国とか、自由とか、国威の宣揚とかいう心にもない
旗印をかかげ、彼の奇妙な牽引力と、物質的報酬とを以て、彼には無縁な民衆を煽動する....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
が叫んだ。 把手をまわして見ると、宇宙艇の尾部に明かにそれと読みとれる日の丸の
旗印と、相良の会社の銀色マーク。私は歎息した。 根賀地と計算をはじめる。相良の....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
て、これはこれはと呆れもし、鳥居峠の天狗さえ、鼻うごめいて笑うという、この面妖な
旗印、六尺豊かの高さに掲げ、臆面もなく白昼を振りかざして痴けの沙汰。夜のとばりが....
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
二十一日の暁時(丁度五時頃)武田の全軍は行動を開始した。初夏の朝風に軍馬は嘶き、
旗印ははためいて、戦機は充満した。此時、織田徳川方では丹羽勘助|氏次等を監軍とし....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
に来ると、馬を棄てて子の伊織十四歳になるのを伴って進んだ。激戦なので、掲げる金の
旗印が悉く折れ破れた。旗奉行神谷|杢之丞、漸く金の旗を繕って、近藤兄弟をして、崖....
「志賀直哉氏の作品」より 著者:菊池寛
温味を感ぜずにはいられないだろう。世の中には、作品の表面には、人道主義の合言葉や
旗印が山の如く積まれてありながら、少しく奥を探ると、醜いエゴイズムが蠢動している....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
ア信書の往復や使者の馬の蹄《ひづめ》の音の取り遣りでは無くなった、今正に上方勢の
旗印を読むべき時が来たのだ。金の千成瓢箪《せんなりびょうたん》に又一ツ大きな瓢箪....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
いるのが、はっきり見えた。 「あっ、骸骨の旗! あれは、アカグマ軍には見当らない
旗印ですね。一体どこの国の旗ですかねえ」 「さあ、おれにも分らない」 と、中尉....
「外来語所感」より 著者:九鬼周造
はない。挙国一致して日本語の国民性を擁護すべきであろう。故松田文相の外来語排撃の
旗印は文教の府の首班として確かに卓見であった。我々はしかし文部省あたりの調査や審....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
初に「八時間の労働と八時間の睡眠と云う事と共に八時間の休養と云う正当な要求を其の
旗印としている群集」と云って、明かに平民労働者を其の休養的教養の対象としている。....
「猫と杓子について」より 著者:織田作之助
文学を、最高の文学的権威とする文壇の定説が、変な言い方ですが、いわば文壇進歩党の
旗印みたいになって、古い日本のものの考え方や伝統や権威を疑ってみて、新しい近代を....
「明暗」より 著者:岡本かの子
」智子は内心きっとなった。そして自分はどこ迄もこの盲青年の暗黒世界を照らす唯一の
旗印でなくてはならないものをと気を取り直した。 「このすみれの色が紫だってことは....
「革命の研究」より 著者:大杉栄
いいながら、コミューンの政治的独裁を建てることしか考えないのだ。 コミューンの
旗印の下に労働者の大衆を集める唯一の方法は、経済的革命を始めることだ、などという....