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旗幟
「旗幟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旗幟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小田原陣」より 著者:菊池寛
思う。 七日、秀吉は総攻撃を命じて居る。全軍一斉に銃射を開始し、喊声を響かし、
旗幟を振って進撃の気勢を示した。水軍も亦船列を整えて鉦、太鼓を鳴らして陸上に迫ら....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
してこれを痛く非難するに過ぎざるがごとし。されば西南戦争の鎮定とともに彼らはその
旗幟を撤して、また前日のごとく危言激論を作さざるに至れり。第二種はこれに反して快....
「運命」より 著者:幸田露伴
北は塞を出でゝ元の遺族を破り、南は雲南を征して蛮を平らげ、或は陝西に、或は蜀に、
旗幟の向う所、毎に功を成す。特に洪武の末に至っては、元勲宿将多く凋落せるを以て、....
「惜別」より 著者:太宰治
海外に亡命していた孫文は、すでにその政治綱領「三民主義」を完成し、之を支那革命の
旗幟として国内の同志を指導し、自分たち洋学派の学生も大半はその「三民主義」の熱烈....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
ば屋根船も出で、江戸ッ児の汐干狩は賑やかなこと賑やかなことこの上なく、紅白の幔幕
旗幟のたぐいをまでたてて、船では三味線幾挺かの連れ弾きにザザンザ騒ぎ、微醺の顔に....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
と思われていた故、小説戯曲の作者は幇間遊芸人と同列に見られていた。勧善懲悪の旧|
旗幟を撞砕した坪内氏の大斧は小説其物の内容に対する世人の見解を多少新たにしたが、....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
を増進するための職業組合であり、『科学的労働者』という季刊誌を発行し、新興科学の
旗幟を鮮明にし、之と平行して「知的自由のために」というA・ハックスリを会長とする....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
て、到る所にこの傾向を普及せしめた。その後一離一合して更に、新傾向派中にも別に一
旗幟を樹《たて》る者があり、また殆ど旧調に復したものもあるに至った。これらの事は....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
ての人間を無条件で自分の前にひざまずかせるため、精霊がおまえにすすめた唯一絶対の
旗幟――つまり地上のパンという
旗幟――を拒否したのだ、しかも天上のパンの名をもっ....
「バラック居住者への言葉」より 著者:豊島与志雄
ていたことであろう。所が此度の災禍によって、諸君の眼を惹きつけていたそれら外的な
旗幟が、一度に消し飛ばされて、もはや眼を遮るものは何もなくなり、そして諸君の眼は....
「現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
これから、種々のものが現われ出そうな気配である。個々の作家について見ても、鮮明な
旗幟をかかげている者もあり、思念の赴くままに自由な態度をとってる者もあり、次第に....
「新たな世界主義」より 著者:豊島与志雄
ればならない。 この二つのもの、自治精神と世界精神とを、日本のエリット達は己が
旗幟として掲げようと必死になっている。障碍は多い。然し努力は挫けないであろう。そ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
を集めて獅子吼し、逍遥は門下の才俊を率いて早稲田に威武を張り、樗牛は新たに起って
旗幟を振い、四方の英才|俊髦一時に崛起して雄を競うていた。二葉亭は『浮雲』以後全....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
まうものである。それが立ち直ったのだから、『千載集』の復古主義は非常に力の強い、
旗幟鮮明な運動であったことを承知しなければならない。ここに実は中世文学の開始があ....
「特殊部落と寺院」より 著者:喜田貞吉
貴族的になっては、エタを賤しとしてこれを近づけなくなる。貴族宗に反して平民主義の
旗幟を天下に翻えし、これらの賤者を摂取して捨てなかった真宗の人々までが、後には殉....