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既婚
「既婚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
既婚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女生徒」より 著者:太宰治
もある。(口だけでは、やれ古いのなんのって言うけれども、決して人生の先輩、老人、
既婚の人たちを軽蔑なんかしていない。それどころか、いつでも二目《にもく》も三目《....
「明暗」より 著者:夏目漱石
》めて、自分の従妹《いとこ》に当る叔母の娘の影が突然通り過ぎた。その娘は二人とも
既婚の人であった。四年前に片づいた長女は、その後《のち》夫に従って台湾に渡ったぎ....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
によると多くの女優は演技よりもなお一層美貌に執着する。 たとえば彼女たちが昔の
既婚婦人に扮する場合、演出者の注意をまたずして、眉を落し歯を染めて出るのは時代劇....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
に過ぎないのかもしれない。 十四 おはぐろ 自分たちの子供の時分には
既婚の婦人はみんな鉄漿《おはぐろ》で歯を染めていた。祖母も母も姉も伯母《おば》も....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
目にあるのである。婦人雑誌は、結婚よりも寧ろ結婚観念を享受したがっているわが国の
既婚未婚の婦人達を、その読者としているから売れるのであるらしい。 婦人雑誌のこ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
一本、着更え二つ、宝石――贋とほんものとを問わず――三個。但し結婚指輪は唯一つを
既婚婦人にのみ許す。その他男女共通に、眼、耳、手、足を各二つ、鼻、口を一個ずつ特....
「都会に於ける中流婦人の生活」より 著者:豊島与志雄
ほど惨めなものはない。彼女等の生活は萎微沈滞しきっている。――勿論茲に云うのは、
既婚の中流婦人の大多数、僅かな例外を除いた全部を指すのである。 下流の婦人等の....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ころ軽蔑《けいべつ》していたあの社会にまたはいり込んでいた。彼女や彼女の友人たる
既婚婦人らのまわりには、若い男女の小さな社会ができ上がっていた。それらの若い男女....
「南島譚」より 著者:中島敦
それは女の自由に任せられるのであって、組合の方で強制する訳には行かない。リメイは
既婚者ギラ・コシサン一人だけを選んだ。男自慢の青年共の流眄《ながしめ》も口説も、....
「学生と生活」より 著者:倉田百三
、このことからたちまち壮年の世俗的リアリズムに転落したことであろうか。 かりに
既婚者の男子が一人の美しき娘を見るのと、未婚者の男子がそうするのとでは、後者の方....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
。戸籍の問題などにもその頃は一般に不注意であった。とにもかくにも、この家の主人が
既婚者の一人であって、現在妻を郷里に残して置き、しかもその妻に二人の女児を生ませ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
カの商工農にして、すべて中等社会と下等中の上等連なり。婦人のうちにて細別すれば、
既婚七十二人、未婚六十七人となる。未婚者の多きもまた驚かざるを得ず。船内は粗大に....
「娘」より 著者:岡本かの子
い。室子は、それに遺憾の気持ちが多かったため、かなり沢山招かれた花嫁の友人の皆が
既婚者であり、自分一人が独身であったということさえ、あまり気にならなかった。却っ....
「友情に関係あるエッセイ」より 著者:戸坂潤
のような幻想を叙べねばならぬ。――チャールス・ラムは『エリヤのエッセイズ』で、「
既婚者の言動についての或る独身者の嘆き」というものを説いている。彼はそこで
既婚者....
「それから」より 著者:夏目漱石
随縁臨機に、測りがたき変化を受けつつあるとの結論に到着した。それを引き延ばすと、
既婚の一対《いっつい》は、双方ともに、流俗に所謂《いわゆる》不義《インフィデリチ....