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「既成〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

既成の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
個人主義がすなわちその第一声であった。(そうしてその際においても、我々はまだかの既成強権に対して第二者たる意識を持ちえなかった。樗牛は後年彼の友人が自然主義と国....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
上は思想の変化を結果する。思想の変化は主張の変化を予想する。生きんとするものは、既成の主張を以て自己を金縛りにしてはなるまい。 思想は一つの実行である。私はそ....
演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
ている場合。 (以上のような実例はおそらくないだろうとだれしも考えがちであるが、既成スターの中には右の典型的な例が珍しくない。) ○可撓性のないものを曲げようと....
のろのろ砲弾の驚異」より 著者:海野十三
そろしいものが、この世の中にあるとは、どうしても思われないが……いや、僕たちは、既成科学に対し、すっかり囚人になっているのがいけないのかもしれない」 ロッセ氏....
軍用鼠」より 著者:海野十三
方は、目下読書界に白熱的人気の焦点にある新進女流探偵小説家(新進だなんて失礼ナ、既成の第一線作家だわよ――と、これは、梅ヶ枝女史の憤懣である)の梅ヶ枝十四子さん....
新時代女性問答」より 著者:岡本かの子
います。それから一般的に新しい色彩が行き亙っているため、本質的な思想家や芸術家は既成の人を除いてはぼかされ易い様です。すべての女が相当な新らしいテクニカル・ター....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
界通信に対する理解が、漸く深まりつつあれど、今から数十年の昔に於ける迫害――殊に既成宗教団からの迫害ときては、正に狂人の沙汰であった。モーゼスを使役して通信しつ....
可能性の文学」より 著者:織田作之助
混乱の渦中にあり、ことに若きジェネレーションはもはや伝統というヴェールに包まれた既成の観念に、疑義を抱いて、虚無に陥っている。そのような状態がフランスではエグジ....
土足のままの文学」より 著者:織田作之助
字を冠しただけで満足しているような文壇社会党乃至文壇共産党の文学も、文壇進歩党の既成スタイルを打ち破るだけの新しいスタイルを生み出す努力をしなければ、いいかえれ....
著作権の問題」より 著者:伊丹万作
り、しかもその不完全なる保証さえ、実際においてはしばしば蹂躙されてきた。しかし、既成芸術の場合は不完全ながらも一応著作権法というものを持つているからまだしもであ....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
いられなかった。歿後遺文を整理して偶然初度の原稿を検するに及んで、世間に発表した既成の製作と最始の書き卸しと文章の調子や匂いや味いがまるで別人であるように違って....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
言ではありません。かかる単独審議、一党独裁はあらためられなければなりません。また既成事実を作っておいて、今回解散と来てもおそすぎると思います。わが社会党は、日本....
単純化は唯一の武器だ」より 著者:小川未明
ある。 やはり、芸術に於てもそうだ。複雑なる主義に、たとえば、政治に、経済に、既成の哲学に、依拠し、隷属しなければならぬとするごときは迷蒙である。こうしたこと....
近頃感じたこと」より 著者:小川未明
部に、自から発達の機能を有する、純一の文学でなければならない。この意味において、既成の感情、常識を基礎とする、しかも廃頽的な大人の文学と対立するものでなければな....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
って損害を受くるのは軍人のみでなくなった。全健康男子総て従軍する事となった今日は既成の観念よりせば国民皆兵制度の徹底であるが、既に世は次の時代である。全国民野火....