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日の目
「日の目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
日の目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「羅生門の後に」より 著者:芥川竜之介
く二度目のがやっと同じ雑誌で活字になり、三度目のが又、半年ばかり経って、どうにか
日の目を見るような運びになった。その三度目が、この中へ入れた「羅生門」である。そ....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
くして、思い入れ凌霄花のにおいを吸いながら、なつかしい次郎の事を、そうして、早く
日の目を見ようとして、動いている胎児の事を、それからそれへと、とめどなく思いつづ....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
かったら――ああ、私はまるで傀儡《くぐつ》の女のようにこの恥しい顔をあげて、また
日の目を見なければならない。そんなあつかましい、邪《よこしま》な事がどうして私に....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
うに、この数年間の生活が押し隠していた野性だった。………
「牧野め。鬼め。二度の
日の目は見せないから、――」
お蓮は派手な長襦袢《ながじゅばん》の袖に、一挺の....
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
取り手のない死人を、この門へ持って来て、棄てて行くと云う習慣さえ出来た。そこで、
日の目が見えなくなると、誰でも気味を悪るがって、この門の近所へは足ぶみをしない事....
「或る女」より 著者:有島武郎
を降りた。
事務長の部屋《へや》は機関室と狭い暗い廊下一つを隔てた所にあって、
日の目を見ていた葉子には手さぐりをして歩かねばならぬほど勝手がちがっていた。地震....
「或る女」より 著者:有島武郎
は存分に霜にしいたげられて、黄色に変色して互いに膠着《こうちゃく》して、恵み深い
日の目にあっても開きようがなくなっていた。そんな間を二人は静かな豊かな心でさまよ....
「時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
四本は、さすがに目のつけどころがよかった。 時計塔への道 「それでは、今
日の目標第一は、時計塔として、塔の頂上まであがってみようじゃないか」 五井は、....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
つけられて、呼吸の絶えるような事が一日に二度ぐらいずつはきっと有ろうと、暗い処に
日の目も見ないで、色が真蒼になっていようと、踏にじられてひいひい呻いていようと…....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
れました。およそ世の中でめくらほどきのどくなものはありません。毎日きれいに照らす
日の目も、毎晩美しくかがやく月の光も、青いわか葉も紅い紅葉も、水の色も空のいろど....
「しっかり者のすずの兵隊」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
も、流れはだんだんはげしくなりました。やがて橋がおしまいになると、すずの兵隊は、
日の目を見ることができました。でもそれといっしょにごうッという音がきこえました。....
「虫喰い算大会」より 著者:海野十三
ます。次に用意いたしました四つの問題、どうぞ御満喫を願います。但し時計の針が、明
日の目盛へ進むようなことにならぬとも限らず、目覚時計をかけてから取懸っていただき....
「もみの木」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
そのままはしごだんのほうへひきずっていきました。こうしてもみの木は、もういちど、
日の目を見ることができました。 「さあ、また生きかえったぞ。」と、もみの木はおも....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
と名づけてこれをぶったくり。 手当も出来ないで、ただ川のへりの長屋に、それでも
日の目が拝めると、北枕に水の方へ黒髪を乱して倒れている、かかる者の夜更けて船頭の....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
曳いた男にも逢う、稲を刈りにゆく赤い帯をした女にも逢う、空は漸く明るくなって時々
日の目をもらす。 往手にあたって黒い大きな門が見える。刈ったばかりの稲束が、五....