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日一日
「日一日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
日一日の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
自分の不幸を上天に訴えながら、あの銅《あかがね》のような太陽が西の空に傾くまで、
日一日馬の上でゆられ通したのに相違ない。が、この平地が次第に緩《ゆる》い斜面をつ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
あの快活な娘の姿を心に思い浮べたのであった。
十七
素戔嗚《すさのお》は一
日一日と、若者の返事を待ち暮した。が、若者はいつになっても、容易に消息を齋《もた....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
愁眉《しゅうび》を開く事が出来るような心もちがした。
しかし、彼の悦びは、その
日一日だけも、続かなかった。夜《よる》になると間もなく、板倉佐渡守から急な使があ....
「或る女」より 著者:有島武郎
子は、自分の事は棚《たな》に上げておいて、激しく事務長を憎んだ。この憎しみの心が
日一日と募って行くのを非常に恐れたけれども、どうしようもなかったのだ。
しかし....
「或る女」より 著者:有島武郎
らくのうちにそんな事をする木部の心持ちがさもしくも思われて来た。おまけに木部は一
日一日とものぐさになって、自分では手を下しもせずに、邪魔になる所に突っ立ったまま....
「星座」より 著者:有島武郎
覚えた文字すら忘れがちになるのに、そこのお嬢さんたちが裕《ゆた》かに勉強して、一
日一日と物識りになり、美しくなっていくのを、黙って見ていなければならぬ恨めしさ。....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
達がもはや完成に近い程度まで進んでいることは、その制度の有する欠陥《けっかん》の
日一日明白になっていることによって知ることができる。戦争とか豊作とか饑饉《ききん....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
れて、君の父上と妹とが炉縁の二方に寝くるまっているのが物さびしくながめられる。一
日一日生命の力から遠ざかって行く老人と、若々しい生命の力に悩まされているとさえ見....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
と思って、そっちへ舌をやって見たが、やっぱり顔は左の方へゆがんでいる。少くとも今
日一日、こんな顔をしているのかと思ったら、甚不平な気がして来た。 ところが飯を....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
の午後もそんな境涯に居た。然し私は其の日に限って其の境涯を格別気にしなかった。今
日一日で仕事が打切りになると云う事も、一つの大なる期待ではあったが、軈て現われ来....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ように思って、その人馴れぬ処、物を怖れる処などを冷かすような風になった。そこで一
日一日と人間とクサカとを隔てる間が狭くなった。クサカも次第に別荘の人の顔を覚えて....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
もなく宿を定めて南へ南へとかけりましたけれども、容易に暖かい所には出ず、気候は一
日一日と寒くなって、大すきな葦の言った事がいまさらに身にしみました。葦と別れてか....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
いって、エリーザがれいのほら穴のへやに姿をかくしてしまうところをみとどけました。
日一日と、王さまの顔はくらく、くらくなりました。エリーザはそれをみつけて、それが....
「初雪」より 著者:秋田滋
たッぷり一月かかった。何となく物足りない気はしたが、それでも仕事に紛れて、日が一
日一日とたって行った。彼女は生活上の別に取り立てて云うほどのこともないような細々....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
弱くなって、彼はめッきり年をとった。そして、彼が心ひそかに念じている一縷の望みも
日一日と崩れて行くのだった。いまはもう、教会へお勤めに来る人はひとり残らず知って....