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日和見
「日和見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
日和見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
のである。正直のところ、現在の殿上人に骨のある人間は極めて少ない。信西入道とても
日和見《ひよりみ》の横着者である。つまりがなんらかの方法でかの頼長の鼻をくじいて....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
胸糞《むなくそ》が晴れた!」と云った。 私たちは、どんな裏切者が出たり、どんな
日和見《ひよりみ》主義者が出ても、正しい線はそれらの中を赤く太く明確に一線を引い....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
う考えて来ると、日本の強力外交の哲学は、実に強力哲学どころではなく却って、一種の
日和見主義の哲学であることが判るだろう。与えられた事実を無条件に「認識」して、そ....
「創生記」より 著者:太宰治
みんな、芥川賞もらってからのほうが、市価数倍せむことを胸算して、二ヶ月、三ヶ月、
日和見、そのうちに芥川賞|素通して、拙稿返送という憂目、再三ならずございました。....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
を見失って了うということにもなる。かくて人々によればジャーナリズムは全く無定見な
日和見に時を費すものであるかのようである。 処がアカデミズムは丁度之に反して、....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
ナリズムはこの存在を原理的に指導する独立の力を失って了う。かくてジャーナリズムは
日和見的な無定見に見えて来るのである。処がアカデミーは恰も之に反して、この歴史的....
「辞典」より 著者:戸坂潤
マルクス主義の補正ではなくてその歪曲に過ぎないものであるとして一蹴した。国際的「
日和見主義」或はロシアに於けるその分派たる「経済主義」と「ストゥルーヴェ主義」と....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
》まれます――しかし、駒井さん、薄っぺらの、雷同の、人気取りの、おたいこ持ちの、
日和見《ひよりみ》の、風吹き次第の、小股すくいの、あやつりの、小人雑輩の、紛々擾....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
いまい》なことで二人をごまかして、両方をからかってるんだ。そして、どっちが得だか
日和見《ひよりみ》をしているのさ。なぜって、親父さんのほうからは金が引き出せるけ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
気でさえあれば!」
そして彼は、クンツの言葉にいくらか胸の重みが取れた。巧みな
日和見《ひよりみ》だと言われてるクンツは、厳《おごそ》かに空を見調べて――(彼も....
「自信の無さ」より 著者:太宰治
姿を、この世紀のままで素直に肯定したいのであります。みんな卑屈であります。みんな
日和見主義であります。みんな「臆病な苦労」をしています。けれども、私たちは、それ....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
りゃ怪我あねえのに、凝っては思案に何とやら、与惣公と化込《ばけこ》んで一、二日|
日和見《ひよりみ》すべえとしゃれたのが破滅の因、のう勘、匹夫《ひっぷ》の浅智慧《....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
云っている。 情報、六 出樽以来二週間に達した。争議団のうちの小作人で、最初
日和見のものも随分いたようであったが、日々の交渉、集合による訓練、労農党員の「社....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
一掃したであろう。だが、危険や敵意に直面したとき、真に彼女を動かすものは、天賦の
日和見性だった。もしウォンステッドの方向に当たって真に危険が存するなら、――彼女....
「黒船前後」より 著者:服部之総
以上の速力もでる。天候一変すればエンジンをかけて稼ぐから、……だから折衷主義を「
日和見《ひよりみ》主義」というのである……ほぼ間違いなく予定日数を約束することも....