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日本堤
「日本堤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
日本堤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
龍泉寺《りゅうせんじ》村の北につづいた寂しい村であった。そのむかしは御用木として
日本堤《にほんづつみ》に多く栽《う》えられて、山谷《さんや》がよいの若い男を忌《....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
る。
巡査はおかしかったと見えて、にやにや笑いながら「あしたね、午前九時までに
日本堤《にほんづつみ》の分署まで来て下さい。――盗難品は何と何でしたかね」
「盗....
「赤外線男」より 著者:海野十三
から、これはいよいよ大変なことになった」 「僕は兎に角、見に行って来ます。あれは
日本堤署の管内ですね」 課長は黙って肯いた。 警察へ行ってみると、現場はまだ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
るのも無理はない。 ◯昨日も今日も、一機侵入の敵機めが爆弾を落として行く。昨日は
日本堤の消防署に命中、今日は東京湾の海中に命中。 ◯閑院宮殿下が薨去された。 ◯....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
円を一晩に使っちゃったんですがね。」 「どこで使ったんだ。」 「吉原です。それも
日本堤の交番から知らせがあったので、実は昨日小夜子さんと一緒に身元を証明して引き....
「獄中記」より 著者:大杉栄
ようかということになって、僕の家に同居していた和田、久板の二人と一緒に、三輪から
日本堤をてくって行った。この和田も久板も今は初陣の新聞紙法違犯で東京監獄にはいっ....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
きずられてゆく巡査の顔を見知っているのです。 Yは真青な顔をしていました。Oに
日本堤の警察に案内するようにといわれて、妙に臆したような表情をチラと見せて、ろく....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
た。 江戸市中人心|恟々 その翌日のことであるが、江戸市中は動揺した。
日本堤の土手の上で、恐ろしい辻斬りがあったからであった。殺されたのは二人の武士で....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
えたのは、奴の権六を失ったことであった。権六も喧嘩で死んだ。彼は寛文三年の九月、
日本堤で唐犬権兵衛等の待伏せに逢った時に、しんがりになって手痛く働いて、なますの....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
程です。 観音堂から堂へ向って右手の方は、馬道、それから田町、田町を突き当ると
日本堤の吉原土手となる。雷門に向って右が吾妻橋、橋と門との間が花川戸、花川戸を通....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
こうしょ》より見下したる間《あいだ》に桜花の梢《こずえ》を示すに止《とど》まり、
日本堤《にほんづつみ》は雪に埋《うも》れし低き人家と行き悩む駕籠の往来《おうらい....
「里の今昔」より 著者:永井荷風
昭和二年の冬、酉《とり》の市《いち》へ行った時、山谷堀《さんやぼり》は既に埋められ、
日本堤《にほんづつみ》は丁度取崩しの工事中であった。堤から下りて大音寺前《だいお....
「水のながれ」より 著者:永井荷風
らん》する恐れがなくなったためかとも思われる。吉原の遊廓外《くるわそと》にあった
日本堤《にほんづつみ》の取崩されて平かな道路になったのも同じ理由からであろう。実....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
行くから。家へ帰ったら、おかみさんにもそう言っといて呉れ」 三
日本堤まで人力車で飛ばして、そこから国太郎はぶらぶら歩き出した。すべてが惰性と反....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
やぼり》の流が地下の暗渠《あんきょ》に接続するあたりから、大門前《おおもんまえ》
日本堤橋《にほんづつみばし》のたもとへ出ようとする薄暗い裏通に在る。裏通は山谷堀....