日本間[語句情報] »
日本間
「日本間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
日本間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
「七月×日 俺の大敵は常子である。俺は文化生活の必要を楯《たて》に、たった一つの
日本間《にほんま》をもとうとう西洋間《せいようま》にしてしまった。こうすれば常子....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
けられる思いだった。 多鶴子は女中に命じて、豹一を応接間に案内させると、階下の
日本間にいる母親のところへ顔を出した。 「お帰り」母親は長火鉢の前に背中を猫背に....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
ように明るい光線が室内を照らしていた。これはなんという風変りな部屋だろう。内部は
日本間となっていて、丁度お城の広間のようにだだッ広く、その中央に背の高い屏風が立....
「蠅男」より 著者:海野十三
見るような簡単な構造ではない。大小いくつかの部屋があるが、悉く洋間になっていて、
日本間らしいものは見当らなかった。 家の中に入ると、不思議とあの変な臭気は薄れ....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
言してよかろうと思われることは禅院の仏壇は、床の間――絵や花を置いて客を教化する
日本間の上座――の原型であったということである。 わが国の偉い茶人は皆禅を修め....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
やかな感じである。まるで、お客様あつかいである。控室は二十畳敷くらいの広い明るい
日本間で、もう七、八人、受験生が来ていた。みな、ひどく若い。まるで子供である。十....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
の、三十ばかりの客が、寝衣で薄ぼんやりと顕れた。 この、半ば西洋づくりの構は、
日本間が二室で、四角な縁が、名にしおうここの名所、三湖の雄なる柴山潟を見晴しの露....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
を幾曲り、ずっと奥まれる一と間に案内されました。室は十|畳許りの青畳を敷きつめた
日本間でございましたが、さりとて日本風の白木造りでもありませぬ。障子、欄間、床柱....
「落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
る様子。信二郎の部屋をうかがうと、電気がついていて寐がえりをうっているようです。
日本間を洋風に使って、信二郎だけは寐台に寐ているのでしたが、その寐がえりの度に、....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
工事場へ行って邪魔にならないように仕事をみていた。二階に私と姉の部屋として新しく
日本間と洋間が出来、離れの陰気な病室は、やはり二間つづきの兄の部屋になおされたし....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
珠子の家も、日本橋の大きな海産物問屋で、原宿の住居も新築のすばらしい邸宅である。
日本間にすれば、三、四十畳も敷けそうなサロンに、この天気の悪いのにお客が十人近く....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
姿を見おくった。玄関で、次郎が靴をはき終ってうしろをふりかえると、洋間と反対側の
日本間の入口から、女の顔がのぞいていた。それはあざけるような眼をした少佐夫人の真....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
集団を作って、各々日に何回というように会合している。 永楽ビルデングの最上層は
日本間が設けられて、そこに囲碁の音が響き、謡のけいこの声が漏れる。銀行集会所の最....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
を立てて出た故山に対しいかにして顔を合わせることが出来ようかと、ホンコンを離れて
日本間近になるまで非常に心を傷めましたが、一つの歌が出来ましたので大いに心を慰め....
「雨夜草紙」より 著者:田中貢太郎
抱くようになっていた奴さんは、そっと室を出て、廊下を通って父親の居間になっている
日本間の方へ往くと、廊下のとっつきの小座敷で人の気配がするのだ、奴さん、そっと障....