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「日表〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

日表の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ある心の風景」より 著者:梶井基次郎
は輝きながらサラサラ鳴っていた。鶺鴒《せきれい》が飛んでいた。 背を刺すような日表《ひなた》は、蔭となるとさすが秋の冷たさが跼《くぐま》っていた。喬はそこに腰....
冬の蠅」より 著者:梶井基次郎
との正しい階調から破ってしまうのである。そればかりではない。全反射がある。日蔭は日表《ひなた》との対照で闇のようになってしまう。なんという雑多な溷濁《こんだく》....
闇の書」より 著者:梶井基次郎
が私達の眼の下で落ち合っていた。溪にせまっている山々はもう傾いた陽の下で深い陰と日表にわかたれてしまっていた。日表にことさら明るんで見えるのは季節を染め出した雑....
日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
南岸の斜面には北海道へんで見られるような闊葉樹林がこんもり茂っているのに、対岸の日表の斜面には南国らしい針葉樹交じりの粗林が見られることもある。 単に微気候学....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
す。 大伝馬町四丁目(この一町だけ通《とおり》はたご町)大丸呉服店にては一月一日表戸を半分おろして、店を大広間として金屏風《きんびょうぶ》を立てまわし、元旦《....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
本させましょう。 きのう栗林氏に、兵役法についての時日のこと、総目録のこと、期日表のこと、など話し、紙に書いたのを渡しておきました。月曜日に参る由。モオラアの....
暗黒星」より 著者:黒岩涙香
聞紙とても、日々|発兌はするものの、何にも報道する事が無い。誕生と結婚と死亡との日表の様なもので、それに天気の報道が少しある。話の種にも成らぬ様なつまらぬ埋草は....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
新聞紙上に報ぜられたところによると、彼は浅草の自宅で頓死した。かれは独身者で、終日表の戸をあけないのを近所の者が不審に思って窺うと、彼はいつの間にか死んでいたと....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
やっとこさと背負って息杖を頼りにその雪の中を進んで行ったです。ところがこれまでは日表の山の方であるから雪も格別沢山はない。五、六寸積って居る所もあればまた積って....
くだもの」より 著者:正岡子規
りも蔓《つる》の方がよく熟して居るが、皮に近い部分は極めて熟しにくい。西瓜などは日表《ひおもて》が甘いというが、外の菓物にも太陽の光線との関係が多いであろう。 ....