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「日足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

日足の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖婆」より 著者:芥川竜之介
口にせず、妙に胸が閊《つか》えるのを、やっと冷麦《ひやむぎ》を一つ平げて、往来の日足が消えた時分、まるで人目を忍ぶ落人のように、こっそり暖簾《のれん》から外へ出....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
二人が柳原へ出かけたのは、最初の晩から四日目の暮れ六ツ過ぎであったが、このごろの日足《ひあし》はめっきり詰まったので、あたりはもう真っ暗な夜の景色になっていた。....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
きになってくれればなお嬉しい」 二人はこんならちもなき事いうて悦んでいた。秋の日足の短さ、日はようやく傾きそめる。さアとの掛声で棉もぎにかかる。午後の分は僅で....
さようなら」より 著者:田中英光
から庭石に落ちて死んだこと。そうしたショックからそのひとも、奔馬性肺結核とかで十日足らずの入院中に死んだ)ときかされ、呆然としてもう一度そのひとに心の中で、「さ....
蜘蛛」より 著者:甲賀三郎
茫然と突ったっているうちに、私はふとあることに思いついた。私は窓から差込んでいる日足をじっと観察した。それから窓外にそびえている大木をじっと観察した。 私は発....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
りとして仰いでいた福岡人士の気持ちがよくわかる。 翁は網打ちに行くといつもまだ日足の高いうちに自宅に帰って、獲れた魚の料理にかかる。 大きいのは三寸位の本物....
草藪」より 著者:鷹野つぎ
くる院長の回診日や、清拭日やいろいろあった。 坂上とよ子はそれでも合間々々の十日足らずの間に、私にぼんやり輪郭を描かせるほどの、身の上話をきかせていた。 一....
火星兵団」より 著者:海野十三
つかるはずだった。 人々は、もう殆ど全部が、おかしくなってしまった。もうあと七日足らずの生命だというので、変な遊びに熱中しているあさましい人間が町にあふれてい....
水の女」より 著者:折口信夫
名をば、何とか称へむ。」かれ、答へ白さく、……。又|詔命しむるは、「いかにして、日足しまつらむ。」答へ白さく、「御母を取り、大|湯坐・若|湯坐定め(御母を取り…....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
的に正しくて、必ずや中橋家に深い関係があるに相違ないと狙いをつけた。 そこで翌日足を棒にして中橋家の周囲を洗ったアゲク、中橋にはヒサという妾があって向島にかこ....
烏恵寿毛」より 著者:佐藤垢石
ら呑んだ呑んだ。朝から夜半まで。客に売ったのは僅かに一斗あまり、三斗ばかりは二十日足らずのうちに、呑んでしまった。 それ、ご覧なさい。 女房は、四斗樽の運命....
桑の虫と小伜」より 著者:佐藤垢石
上流へ。四国へ渡って仁淀川、新荘川、吉野川へ。さらに、紀州の熊野へ入って熊野川の日足で、一ヵ月を鮎の友釣りに釣り暮らした。父子づれの釣り旅は、まことに楽しいもの....
」より 著者:佐藤垢石
釣友と別れ、旅館の都合で十津川と北山川と合流して熊野川となる川相から一里下流の、日足へ足をとどめたのである。ここらあたりの風景もひろびろとして快い。 日足の宿....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
十五日の朝、姉は虫が知らすとでもいうような死の予感を感じたらしく、和枝(生後七十日足らずの姉の子)を見せてくれと申しました。和枝は乳がないので乳母の手で育ってい....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
に進んで行くこと四里ばかりにしてツァーラン村が見えます。もはやこの辺は西北原へ一日足らずで出られる所でありますから、雪山とはいいながらほぼ西北原と変らぬような有....