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日頃
「日頃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
日頃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
うき》の高まる少年だった。その点は――殊にその点は伏見鳥羽の役に銃火をくぐった、
日頃胆勇自慢の父とは似ても似つかぬのに違いなかった。彼は一体何歳からか、又どう言....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
しゃく》の労を執《と》る以上、悪評などが立つ謂《い》われのないと云う事、そのほか
日頃私の希望している東京遊学のごときも、結婚した暁には大いに便宜があるだろうと云....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
、およそものの三月あまりも、根気よく御遣《おつかわ》しになりました。さればこそ、
日頃も仰有《おっしゃ》る通り、「あの頃の予が夢中になって、拙《つたな》い歌や詩を....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
。いや、耳を借さない所か、彼はその権妻《ごんさい》と云う言《ことば》が大嫌いで、
日頃から私をつかまえては、『何しろいくら開化したと云った所で、まだ日本では妾《め....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
艱難を嘗《な》めさせた彼自身の怨敵《おんてき》であった。――甚太夫はそう思うと、
日頃沈着な彼にも似合わず、すぐさま恩地の屋敷へ踏みこんで、勝負を決したいような心....
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
りなのです。
使、突然また消え失せる。
小町 ああ、やっと助かった! これも
日頃信心する神や仏のお計《はか》らいであろう。(手を合せる)八百万《やおよろず》....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
ょいと驚いたが、相手の少佐が軍人に似合わない、洒脱《しゃだつ》な人間だと云う事は
日頃からよく心得ている。そこで咄嗟《とっさ》に、戦争に関係した奇抜な逸話を予想し....
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
うに、中音《ちゅうおん》で静かに法華経を誦《ず》しはじめた。
これが、この男の
日頃からの習慣である。身は、傅《ふ》の大納言《だいなごん》藤原道綱《ふじわらみち....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
云う事です。」
老紳士はほとんど厳粛に近い調子で、のしかかるように云い切った。
日頃から物に騒がない本間さんが、流石《さすが》に愕然としたのはこの時である。が、....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
し所へ、上様にはたちまち震怒《しんど》し給い、筒《つつ》を持てと御意あるや否や、
日頃|御鍛錬《ごたんれん》の御手銃《おてづつ》にて、即座に清八を射殺し給う。」
....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
素戔嗚《すさのお》は味方の若者たちと共に、とうとう敵の手に生捉《いけど》られた。
日頃彼に悪意を抱いていた若者たちは、鞠《まり》のように彼を縛《いまし》めた上、い....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
》恢復すると同時に、はげしい神経衰弱に襲われた。――
肩がはる。頭痛がする。
日頃好んでする書見にさえ、身がはいらない。廊下《ろうか》を通る人の足音とか、家中....
「運」より 著者:芥川竜之介
を見ると、常夜燈《じょうやとう》のぼんやりした明りで、観音様の御顔が見えました。
日頃|拝《おが》みなれた、端厳微妙《たんごんみみょう》の御顔でございますが、それ....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
ら》の花のように赤く残っている。が、眼《め》だけは、ふだんと少しも変りがない。「
日頃のように青く澄んだ御眼《おんめ》」は、悲しみも悦びも超越した、不思議な表情を....
「悠々荘」より 著者:芥川竜之介
が、門の奥にある家は、――茅葺き屋根の西洋館はひっそりと硝子窓を鎖していた。僕は
日頃この家に愛着を持たずにはいられなかった。それは一つには家自身のいかにも瀟洒と....