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「旧例〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

旧例の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ここに修業の道士は、毎年九月三日の夜をもって、一人は登仙することを得るという旧例があった。 夜が明ければ、その姓名をしるして届け出るのである。勿論、誰が登....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
職故実を調査する所)の塙次郎という学者はひそかに安藤対馬の命を奉じて北条氏廃帝の旧例を調査しているが、幕府方には尊王攘夷説の根源を断つために京都の主上を幽し奉ろ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
が、それをありのまま示すのは懇信の意を表するからであると言って、印璽のない場合に旧例のあることをも説明した。もはや日暮れにも近い、仏国公使も待っていることだろう....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
代官を新しい主人公に迎えて見ると、それが山村氏の祖先であったが、諸事石川備前守の旧例によることには変わりはなかった。慶長年代のころには定見取米を御物成といい、木....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
よう? 第四は阿Qの原籍だ。もし彼が趙姓であったなら、現在よく用いらるる郡望の旧例に拠り、郡名百家姓に書いてある注解通りにすればいい。「隴西天水の人也」といえ....
端午節」より 著者:井上紅梅
のない奥さんには学名もなければ雅号もなかった。だから別に何と言いようもなかった。旧例に拠れば「夫人」と呼んでいいのだけれど、彼は古臭いのが嫌いで、「おい」という....
曙覧の歌」より 著者:正岡子規
詠みたるものすなわち『万葉』なり。曙覧が新言語を用い新趣味を詠じ毫《ごう》も古格旧例に拘泥せざりしは、なかなかに『万葉』の精神を得たるものにして、『古今集』以下....
にらみ鯛 」より 著者:佐藤垢石
『あまりのことである』 と、言って信用しない。そして、供御調度のことについて旧例を改革しようとはしなかったのである。けれど所司代は、きょう眼のあたりこの御膳....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
下に みくまのにあり此みくまのは志摩国也大臣の大饗の時はしまの国より献ずなる事旧例也是をもつて雉のあしをつゝむ也抑此はまゆふは芭蕉に似たる草のくきのかはのうす....
私本太平記」より 著者:吉川英治
の武士をしめくくって、朝廷をあがめ、忠誠を誓わせましょう。朝廷におかせられては、旧例に則って、御文治のほかに出でず、内、御融和美しく、外、聖徳をもっぱらにし給う....
随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
りのほか何ものもない。この夜、祇園の万亭で旧知の老妓や舞妓さんに会う。翌日は一力旧例の“大石さん祭り”でお蕎麦の接待があるよしだったが行かれなかった。午後乗車、....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
般には知られていない。京都には古くから亥の子の日に餅を搗いて、農村から持って来る旧例のみはあって、その他の行事は何もないけれども、まだ名前だけはほぼ記憶せられて....
エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
紙面指出候。 一、養子取組之義は百姓に同断、(中略) 一、穢多牢舎中病気療法之義旧例無之旨、町御奉行より申来候へども、牢中は同様の義に候へば候事。 すなわち諸....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
)によれば、六月十四日の祇園の祭礼に、北畠から跳戈を出し、歌舞して御所へ参るのが旧例だとあって、此の徒が遊芸に由って御霊会の神事に仕えていたことがわかる。祇園の....