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旧家
「旧家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旧家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
けた。
「田舎《いなか》の家《うち》の庭を描《か》いたのですって。――大村の家は
旧家なんですって。」
「今は何をしているの?」
「県会議員か何《なん》かでしょう....
「路上」より 著者:芥川竜之介
庭の事情などを、聞かせられる機会が多かった。野村家と云えば四国の南部では、有名な
旧家の一つだと云う事、彼の父が政党に関係して以来、多少は家産が傾いたが、それでも....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
い岡の上でやはり矢切村と云ってる所。矢切の斎藤と云えば、この界隈《かいわい》での
旧家で、里見の崩れが二三人ここへ落ちて百姓になった内の一人が斎藤と云ったのだと祖....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
ろう。 ドレゴ記者はオルタ町の郊外に、先祖伝来の家を持っていた。もちろん土地の
旧家であって、農業や牧畜や交通について、彼の祖先は代々大きな権力をもっていたので....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
もある。が、荒れた厩のようになって、落葉に埋もれた、一帯、脇本陣とでも言いそうな
旧家が、いつか世が成金とか言った時代の景気につれて、桑も蚕も当たったであろう、こ....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
いのだ。 「お前も知ってのとおり深田はおら家などよりか身上もずっとよいし、それで
旧家ではあるし、おつねさんだって、あのとおり十人並み以上な娘じゃないか。女親が少....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
たのだ。 その女中は、もう一年ほど前に、嫁に行っていなかった。が、お寺か田舎の
旧家の座敷のような、広い十畳に、幅一間ほどの古風な大きな障子の立っている、山のす....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
て聴いていたが、 「あの平凡で気の弱い大家の旦那にもそれがあったかなあ。やっぱり
旧家の人間というものにはひと節あるなあ」 と、感じて言った。わたくしは、なお自....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
か」 その時春木は、先生にたずねた。 「それがどうも分らないんだ。牛丸君の家は
旧家だから、金がうんとあると思われたのかもしれないな。そんなら、あとになって、き....
「時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
人たちであった。もっとも、そういう人たちの中にも、時計屋敷には手をつけるなという
旧家の連中の方に賛成する人たちもあった。 この会議は、なお二日ばかりつづいたが....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
ざります。ほほほほ。」 「時に、三由屋という旅籠はあるね。」 「ええ、古市一番の
旧家で、第一等の宿屋でござります。それでも、今夜あたりは大層なお客でござりましょ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
合わせがございませぬ。私の存申上げることに致しましょう……。 それは或る鎌倉の
旧家に起りました事件で、主人夫婦は漸く五十になるか、ならぬ位の年輩、そして二人の....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
、十二、三歳の頃、私ははじめて新らしい西欧の文明を知った。私の家は商家だったが、
旧家だったため、草双紙、読本その他|寛政、天明の通人たちの作ったもの、一九、京伝....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
に水田があって、その周囲に農家がチラホラとあるに過ぎなかった。 けれどもここの
旧家|山田氏というのは、堂々たる邸宅を構え、白壁の長屋門、黒塗りの土蔵、遠くから....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
淵の清五郎の姉娘だ」 「えツ――清五郎」 隣村の杉淵の清五郎と言えば、一寸した
旧家で源治などよりも余計に田をつくつている裕福な家であつた。しかもその姉娘の初世....