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「旧弊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

旧弊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
面目《まじめ》な顔をして問いかけました。私は元よりの洋行帰りの一人として、すべて旧弊じみたものが大嫌いだった頃ですから、『いや一向同情は出来ない。廃刀令《はいと....
旧主人」より 著者:島崎藤村
う開けた思想《かんがえ》を御持ちなすった御方で、御服装《おみなり》も、御言葉も、旧弊は一切御廃し。それを御本家では平素《しじゅう》憎悪《にく》んでいるということ....
新生」より 著者:島崎藤村
のかかった洋燈《ランプ》で自分の書斎を明るくした。「君の家はまだランプかい。随分旧弊だねえ」と泉太の小学校の友達にまで笑われる程、岸本の家では洋燈を使っていた。....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も文明開化にはかないませんよ。はははははは。そんなわけですから、わたくしのような旧弊人《きゅうへいじん》はやはり昔の例を追って、十三日には煤掃きをして家内じゅう....
婦系図」より 著者:泉鏡花
は、お家が医者だから。……そうでないと、大抵九月児は育たんものだと申します。また旧弊な連中は、戦争で人が多く死んだから、生れるのが早い、と云ったそうです。 名....
姉川合戦」より 著者:菊池寛
、家老達から隠居をすすめられて、長政に家督を譲った位の男|故、あまり利口でなく、旧弊で頑固であったに違いない。信長の違約を怒って、こんな表裏反覆の信長のことだか....
近時政論考」より 著者:陸羯南
ただ虚礼虚儀に拘泥し卑屈服従偏倚して、個人的生存の気象なきを憂とし、もっぱらこの旧弊を破除せんと欲したるがごとく、国権論派は政権の分裂して人心散乱の弊を見、法制....
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
を明けて」 助「はい御免、大い鏡だなア、髪結うかねえ」 床「此方は西洋床ですから旧弊頭は遣りません…おや、あなたは前橋の旦那ですねえ」 助「誰だ、何うして私を知....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
せる気遣い無い、兎やこうすると許さんから左様心得ろ」 とて懐より把り出したは、旧弊であります故小さい合口を隠し持って居ますから、柄へ手を掛けて懐から抜きにかゝ....
初孫」より 著者:国木田独歩
またあえて自らワッペウ氏をもって任じおられ候、天保できの女ワッペウと明治生まれの旧弊人との育児的衝突と来ては実に珍無類の滑稽にて、一家常に笑声多く、笑う門には福....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
いる。 今村夫婦は一応それをかばうように取はからってくれもするが、実はやっぱり旧弊が身についているから、先祖代々の乞食の娘ということに色目をもっていることは、....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
得なんだからな。……それにさ世間のそうした風習に、一人逆らって超然としていると、旧弊というので仲間っ外れにされる。そのあげくに迫害される。そればかりかそのあげく....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
であった。この絢尭斎というは文雅風流を以て聞えた著名の殿様であったが、頗る頑固な旧弊人で、洋医の薬が大嫌いで毎日持薬に漢方薬を用いていた。この煎薬を調進するのが....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
僚たちからすっかり愛想をつかされてしまったらしい。いや、みんなが呆れてしまって、旧弊旧弊、頑愚度すべからずと笑われていると消息して来た。それがまだ二十三、四の....
俗臭」より 著者:織田作之助
もう年頃になったことやさかい、私も今までとは交際いが違て来まっしゃろ。今まで通り旧弊な髪結うてたら娘の嫁入り先に阿呆にされまんがな。今日日はパアマネントオーの一....